【写真・画像】元従業員が語る“危険”なサファリパークの舞台裏「チーターのケンカ 腕をなくす覚悟で止めた」 飼育員がマレーバクに噛まれ重傷を負う事故も1枚目
【映像】なぜ大人しいバクが飼育員を襲った?(当時の再現)

 群馬サファリパークで21歳の女性飼育員がマレーバクに右腕を噛まれ、骨折はないものの重傷を負った事故が発生。現場は度重なる事故とどう向き合っているのか。知られざる舞台裏を元従業員に聞いた。

【映像】なぜ大人しいバクが飼育員を襲った?(当時の再現)

 群馬サファリパークによると噛んだマレーバクが13歳のメスで体調およそ2メートル、体重は約400キログラム。女性飼育員が1人でブラッシング中、赤ちゃんが母親に近づき、その瞬間に母親バクが作業中の飼育員の右腕を複数個所噛んだという。

 動物研究家のパンク町田氏によるとバクは普段はおとなしいとして「特に人間に飼育されていたマレーバクは人を襲うような動物じゃない。子どもがいることで警戒心が強くなっていた。そしてマレーバクからすると、『子どもが来たからちょっとどきなさいよ』程度のこと。そこまで悪気はなかったと思う」と推察した。

 過去には富士サファリパークで2005年に30代男性従業員がヒグマに襲われ死亡、群馬サファリパークでは2016年に40代女性従業員がツキノワグマに襲われ死亡、2017年に男性飼育員がスマトラゾウに足を踏まれて骨折、那須サファリパークでは2000年に20代男性飼育員がライオンに襲われて一時重体、2022年には飼育員3人がトラに襲われて重傷、東北サファリパークでは50代飼育員がメスのライオンに襲われて死亡といった事故が起きている。

 元サファリパーク従業員は「普段どういう子とか、どういう風な性格だからとかいろいろあると思うが、飼育するにあたって大型動物は特に一個一個手順みたいなものが決まっているので、手順通りにすれば基本は怪我しないようにはなっている」と説明。基本的には飼育マニュアルが存在し、細心の注意を払っているがそれでも命がけの場面があるという。

 元従業員は「チーターがケンカし始めてしまい、お客さんもいる状況だったので、チーターだから直接触れないけどお客さんを止めて、自分が車に乗っている状態で車から腕を出すしかできない、自分にいつ襲い掛かって来るかわからない状況だった。腕をなくす覚悟で止めた。それが一番怖かった」と振り返った。

 さらにサイに“頭突き”をされたこともあるそうで「ミラーとかもすぐにへし折ったり、ボンネットがへこむぐらいの力はある。速いし力もあるし怖い動物だなと思っている」と当時の恐怖を語った。

 ちなみにサファリパーク飼育員の平均的な初任給は、番組調べによると約14万円から20万円前後だという。

 危険なのは動物だけではないそうで、元従業員は「車に行かないようには動物たちも訓練しているが、ケンカの拍子にちょっと車のほうに出ちゃった、車に当たっちゃったとなることもある。動物が危なそうだったらお客さんにスピーカーで『動物が横断しているからちょっと待っててください』『ケンカしているからちょっと離れてください』『当たったらお客さんの車が壊れちゃうので進んでください』と言ってはいるが、近くでケンカを見たいからお客さんも進んでくれないことは多い」と告白。

 「お客さんには申し訳ないが、従業員側が言うのは限界があるので、お客さん自身で気をつけてもらいたい。動物のことはお客さんより従業員のほうがわかっているので、従業員の指示に従って。『危ないよ』と言われたら『危ないんだな』とわかっていただけたら一番うれしい」と訴えた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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