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 不登校の児童数が増え続ける中、「学校に行かない」という新たな選択肢が注目されている。

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 「学校に行きたくない!」

 自分の子どもがそう言い出した時、どのような選択肢があるのか?

 文部科学省の調査によると、2022年度の小中学校における「不登校」児童数はおよそ30万人。前年度から20%以上も増加し、過去最多となっている。

 そのような中、子どもたちに新たな“居場所”を作ろうとする取り組みが広がってきている。その1つが「オンラインフリースクール」だ。

 自宅にいながらオンラインで勉強したり、友達と交流できたり…。「オンラインフリースクール」は近年、次々に開校している。

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 「なかなか外に出づらい子どもでも、自宅でパソコン開けば参加ができる点がメリットだ」

 と話すのは「aini school 小中等部」事業責任者 ジャー・ファンファンさんだ。去年4月に開校した「aini school 小中等部」。その特徴は「仮想空間」だ。

 「仮想空間にainiスクールという場所を作って、そこにみんながブラウザを開いて参加をしている状況だ。自分のアバターをaini schoolという空間で授業に参加したり、ホームルームの教室に行ったり自由に動かせる」(ジャー・ファンファンさん)

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 現在、およそ100人の子どもが通っている「aini school」の仮想空間では国語や算数などの授業だけでなく、毎朝ホームルームも開かれる。中でも特徴的な授業は…

 「好き・得意を持った大人の方々・ホストさんが子どもたちにそれぞれの授業をしてくれる。例えば『昆虫食』を研究している方が虫について教えてくれたり、トレジャーハンターの方が歴史の話をしてくれたり」(ジャー・ファンファンさん)

 場所の制約もなく、子どもたちが学んだり遊んだりできる「オンラインフリースクール」。開校のきっかけの1つは運営スタッフのある”経験”だった。

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 「中学校3年生の時にクラスの女子全員に集団無視をされ、それが卒業まで続き、学校に行くのがすごく辛い時期があった」(「aini school 小中等部」運営スタッフ 森真弓さん)

 中学生の頃いじめられていたという森さん。学校に葛藤や違和感を抱いて過ごしていたという。

 「将来学校に行かない選択をした子どもたちが尊重され、学校以外にも居場所や学びの選択ができる社会になってほしいと当時から思っていた」(森さん)

 開校からおよそ1年…オンラインの枠を超えた新たな取り組みも始まっている。

 「娘と静岡県の富士山ワイルドアドベンチャーに行った際にすごくいい場所だと感じたので、子どもたちに『ここで修学旅行やるのどう思う? やってみたい?』と投げかけたところ『行きたい! やりたい! 行こうよ!』などの声がどんどん上がった」(森さん)

 キャンプファイヤーで何の音楽を流すか、朝昼晩何を食べるか、しおり作りなどについても毎週1回会議をして、子どもたちが中心となり企画や準備をしたという。

 そして約1カ月後、子どもたちの修学旅行が3月に実現したのだ。今まで画面上でしか交流したことがない18人。中には過去に学校でいじめられたり、傷つく体験をして「人に会うのが怖い」としばらく家から出られなかった子どももいた。しかし、その関係性はオンラインとなんら変わらなかったという。

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 「会った時は感動して抱き合ったり、握手したり、『やっと会えたね』と。みんな初めて会ったはずなのにそう思えないほど打ち解けた。オンラインとリアル、変わらずに関係性を築けていたんだなと感じた」(森さん)

 修学旅行後、「今までよりたくさんお手伝いをしてくれるようになった」「親子の関係性もよくなった」「外にも出るようになった」といった変化の声も。

 また、「aini school」に通った生徒の中には、以前に通っていた実際の学校に戻った生徒もいるという。

 「傷ついた学校という場にいきなりまた戻るのはハードルが高いかもしれないが安心できる出会いや居場所に触れたことで『もう一回外に出てみようかな?』『もう一度あの人には会ってみようかな』という気持ちになるのかも。その“スモールステップ”がすごく大事だ」(森さん)

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 オンラインフリースクールでは、 学校での取り扱いにもよるが、自宅にいながら出席扱いになる「出席認定」という制度も注目されている。

 Schooのエバンジェリスト 滝川麻衣子氏はオンラインフリースクールについて「学校は社会に出た時に人間関係を築いていくための練習の場でもあるが、オンラインスクールならばそれも叶えられる。これは『家でひたすら教材を解く』だけでは得られないことだ。自分の子どもが学校でトラブルに巻き込まれたり、友だちとうまくいっていないと、『このまま学校にずっと行かず、引きこもってしまったらどうしよう』と心配になる気持ちもわかる。だが、『元々学校で身につけられることがオンラインスクールなどの“別の選択肢”でも得られるならばそれでいい』と発想を切り替えることも時には重要だ」と述べた。

 その上で、「傷ついた子どもを肯定的に受け止める居場所の多様化が必要」と投げかけた。

 「フリースクールのような場所に通い、コミュニケーションを取る中で自信を取り戻すことがすごく大事だ。また、いじめが起きる場合、『その集団』の心理や人間関係のもつれに原因があるケースが多いため、被害者が別の集団に行くことで急に人間関係が円滑になることは頻繁に起こっている。様々な選択肢を確保することが大切なのだ」
(『ABEMAヒルズ』より)

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