■専門医「3つのリスクはわかっているが、原因ではない。当事者を責めないで」

 こども家庭庁の資料によると、1997年に538件発生していたSIDSは、2002年に285件、2007年に158件、2012年に152件、2017年に77件、2022年に47件と、発生件数は年々減少している。

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 小児科医・新生児科医の今西洋介氏は背景として、「アメリカや世界でも同様の傾向がある。1970〜80年代は、消化や寝付きの良さから『うつぶせが良い』と言われていた。しかし突然死が多いと気づいて、やめるよう20年間訴えて、減少した。SIDSは旧約聖書にも書かれているもの。医療のレベルは違うが、原因不明の突然死は昔からある」と説明する。

 SIDSの予防方法は確立していないながら、こども家庭庁は「1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに」「できるだけ母乳で育てましょう」「たばこをやめましょう」の3点で発症率が低くなるデータがあるとし、「睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう」と呼びかけている。

 今西氏は「原因はわからないが、リスクを上げる要因はわかってきている。ただ、あくまでも全員ではないことには留意が必要。『こういうことをしたから、突然死したんだ』と、周囲が当事者を責めないことが大事だ」と警鐘を鳴らす。

日本の医療現場には課題も
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