将棋の藤井聡太叡王(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)に伊藤匠七段(21)が挑戦する第9期叡王戦五番勝負第4局が5月31日、千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で始まった。シリーズは藤井叡王の1勝2敗と、自身初のカド番を迎えている。藤井叡王が踏ん張りフルセットへと持ち込むのか、伊藤七段が待望の初タイトルを手にするのか。本局の先手は伊藤七段。
シリーズは藤井叡王の1勝、伊藤七段の2勝で推移している。五番勝負開幕局は、藤井叡王の先手で両者得意の角換わりの出だしに。伊藤七段がペースを握って終盤戦に突入したが、ぎりぎりの接戦の中で正確な手を重ねた藤井叡王が切れ味鋭く迫って勝利をもぎ取り、防衛に向けて好スタートを切った。
続く第2局では、後手番の藤井叡王がやや変化球とも言える3三金型角換わりを採用。一進一退の攻防の中で伊藤七段がペースを握り、冷静に押し切って待望のタイトル初勝利を飾った。さらに、続く第3局は、藤井叡王の先手で得意の角換わり腰掛け銀を志向。スピード勝負の攻め合いから、混戦の中で藤井叡王に誤算が生じ伊藤七段が逆転。巡ってきたチャンスを離すまいと先手玉へ猛攻を仕掛け、正確な寄せから伊藤七段が連勝を飾った。
藤井叡王はタイトル保持者として戦ったこれまでの番勝負で初のカド番となり、“八冠陥落”の危機を迎えている。名人位防衛から中3日で迎える本局で藤井叡王が底力を発揮しフルセットに持ち込むことができるのか、同学年の絶対王者を追い込んだ伊藤七段が待望の初タイトルを奪取するのか。すべての瞬間から目が離せない。
持ち時間は各4時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)