将棋の藤井聡太叡王（竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、21）に伊藤匠七段（21）が挑戦する第9期叡王戦五番勝負第4局が5月31日、千葉県柏市の「柏の葉カンファレンスセンター」で行われている。ABEMAの中継には、前期挑戦者の菅井竜也八段（32）が出演。2度のタイトル戦を戦って感じた、藤井叡王の“一番の強み”を語った。
菅井八段は、前期の挑戦者として五番勝負に初挑戦。プロでは少数派の振り飛車党のエースとしてシリーズに挑んだが、1勝3敗で敗退を喫した。さらに、年頭に行われたALSOK杯王将戦でも藤井叡王に挑戦。激闘の末に4連敗で七番勝負を終えた。
注目の叡王戦第4局で解説を務めた菅井八段は、2度のタイトル戦を経て「居飛車党の棋士が感じる印象と振り飛車党の自分が感じる印象は違うところがあると思いますが、（藤井叡王は）本当の急所が見える気がします。何となく筋の良い手ではなく局面の急所を見つける能力、“見つける”というより“そういうもの”という感じで指している感じがします」と印象を語った。
一方で、「いろんな変化を深く考えているようには感じなかった」とも。「ただ、本筋が見えているのでめちゃくちゃ効率が良いんです。時間も限られている中で最善にほぼ近い“AかBか”というのを深く読めている。それが自分が感じた藤井さんの一番の強みだと思います」と続けた。「A、B、C、Dと順番に読んでいくと、その分いろんな変化を読むので時間もどんどん削られていくし、人間なので頭も疲れるんです。急所を見極めるというのはかなりの武器ですが、本人が勉強して身に着けた能力だと思います」とし、圧倒的な研究量によって体得したものであることも強調していた。
菅井八段自身は、「プロが好まないような、筋が悪い重たい手も正直に考えていくタイプ」だといい、「自分でも効率は悪いなと思っているんです。ちょっとそれを教えてもらわないといけませんね（笑）。あの能力があればな…」と苦笑いを浮かべる場面もあった。
絶対王者とタイトル戦で盤を挟んだものでしか体感することのできない貴重なエピソードあり、ファンも興味津々。「核心を語っている」「貴重なお話」「感覚が優れているのかな」「菅井が聡太を語るのはレアでええ」「言語化ありがたい」「菅井さん解りやすい」「効率がいい、なるほど」など多くのコメントが寄せられていた。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
