経済的な理由で病院の受診を諦め、その後死亡したケースが2023年に全国で48件あったことが、全日本民主医療機関連合会の調査で明らかになった。困窮者の医療アクセスと健康格差について、5月30日の『ABEMAPrime』で議論をする中で、お笑いコンビ・EXITの兼近大樹が「僕も『病院に行くな』と言われていた」という自身の経験を語った。
兼近は「親が悪かったわけじゃなく、親自身もそう言われていた」と説明。驚きの対応を明かした。
「親父は耳がちぎれても、『ちぎれたほうを上にして、くっつけて寝たらつくから』って言って寝てた。じいちゃんも病院まで歩いて行って、到着したら危篤状態。すでに限界だった」
その上で、「“病院行ったら何があんの?”“金かかるから”って育てられたら、子どもにも“そのぐらいでいちいち病院行くんじゃない”って教えると思う。貧困というより教育、家庭環境の問題なんじゃないか」との考えを述べる。
相方のりんたろー。は、兼近のエピソードを紹介。「めちゃめちゃ忙しい時に兼近くんが体調を崩し、俺もマネージャーも“これは一大事だ”と、どうにかスケジュールを動かして病院に行ってもらう時間を作った。俺らには死がよぎるぐらいのレベルだったのに、結局後輩と遊びに行っちゃってた」と明かす。
これに兼近は「体半分にブツブツが出て、立てない時もあったけど、“ちょっとキツいけど、死には死ねえか”みたいな。慣れちゃってる部分はたぶんあって、周りの人がめっちゃ言ってくれるからやっと行く。性格が形成されているというか、そういう家で育ってるから行かないのが当たり前の感覚だ」と返した。
歌舞伎町のゲイバーCRAZE店員のカマたくもあまり病院に行かないタイプだったそうだが、今は3カ月に1回は行くようにしているという。「私はお酒を飲まないのに肝臓の数値がすごい上がりやすい。ある時病院に行ったら、『あなた帰れませんよ』って緊急入院になった。そこで、人に迷惑をかけちゃうし、保険料も払ってるから、定期的に行っといたほうがいいなと。3カ月先の予約を入れて“約束”にしちゃえば、行かなきゃってなる」と語る。
大阪医科薬科大学の講師・医師で、社会福祉士の西岡大輔氏は「カマたくさんのように、予定を入れて受診できるのは相当できる人」としつつ、「困難を抱えれば抱えるほど仕事を休めなかったり、喘息などは症状が出る前の予防が大切だが、症状がないゆえに行く必要がないと思ってしまう人もたくさんいる。自分への健康投資をしたほうがいいんだけれども、そのメッセージは届きにくい。いかに周りがサポートしながらつなぎとめていくか、孤立させないかがとても大切だ」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
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