「親が付けやがった監視カメラをおもちゃの銃で狙撃してやった。深夜に起動して、寝ているかチェックしてきてガチキモい。俺、中3だぞ?信じられるか」
【映像】「監視カメラをおもちゃの銃で狙撃してやった」イメージ図
中学3年生の子どもの部屋に親が監視カメラを取り付け、行動を見張っているというXへの投稿が物議を醸している(現在は削除済み)。このポストが拡散されると、「赤ちゃんならわかるが、これはやりすぎ」「プライバシーの侵害」「会社の同僚も息子の部屋にカメラをつけたと言っていた」といった声があがる。
子どもを見守る・見張るためのカメラはどこまで、何歳まで許されるのか。『ABEMA Prime』で考えた。
■ゲームを止められ「“またか”“嫌だな”と感じていた」
小学6年生まで子ども部屋に監視カメラを設置されていたおとうふさん。「発達障害・ADHDがあり、好きなものに何時間でも、寝食を忘れてのめり込んでしまう気質がある」とした上で、「小学校低学年の時にテレビゲームを買ってもらい、何時間もやってしまった。父は最初叱るだけだったのが、止めないので監視カメラを部屋につけて、2時間ぐらい経ったら『今すぐやめなさい』と言ってきた」と話す。
それでもゲームを止めず、「息苦しさというよりは、“またか”“嫌だな”と感じていた」という。その後、同居していた祖父母が認知症になったことなどもあり、監視カメラは見守りカメラとして使われるように。中学校に入ってからは勉強などに打ち込むようになり、ゲームはあまりしなくなっていったそうだ。
自身の経験から、カメラを設置する年齢は「小学6年生まで。中学生になると思春期まっ盛りで、いろいろ思うところもあった」と話す。一方、親には感謝もしているそうで、「大人になって自分でゲームを買ったら、何時間もぶっ続けで、体調が壊れるぐらいまでやってしまった。当時、健康を守ってくれていたのは親だった」と語った。
■子ども部屋に監視カメラは法的に問題ない? 設置する保護者に共通点?
カメラ設置の必要性について、現役保育士で育児アドバイザーのてぃ先生は「何歳までという考え方にあまり賛成しない」と述べる。
「今の家庭内での使い方は、親が子どもの安心安全を見るためだけではない。共働きの世帯がこれだけ多い中で、“お母さん・お父さん見てる?”という合図として、帰ってきたタイミングでカメラに手を振るお子さんは多い。おやつを食べる時もそうだ。ある種、家庭のコミュニケーションツールになっているので、双方がコミュニケーションを取りたいと思っている間はいいと思う。子どもが思春期に入ったタイミングなどで“常に見られるのは嫌だ”となった時、一方的に親が見続けるのは監視になると思う」
レイ法律事務所の高橋知典弁護士(高ははしごだか)は、カメラを設置している保護者に共通することとして「コントロールしたがっていること」をあげる。おとうふさんも、「給料をもらいながら医師になれる防衛医大を目指せ」「トイレットペーパーは◯cmまで」「友達と遊びに行く前に勉強しなさい」と言われたり、テレビ番組を指定されていたという。
高橋氏は「自分の人生の“ニュー・ステージ”に子どもを位置付けたりする。“俺はここでつまづいたから、お前はこうならないように見ておく”“こうやって生きろ”といったところまで指定するわけだ。“そうはなりたくない”と言える子ならいいが、言えない子はずっと我慢して、ある日自由になった時に反動が起きたりする。それが良い方向にいけば良いが、悪い方向にいくと親への暴力で解決したりしてしまう」
そもそも、カメラ設置は法的に問題ないのか。家の中や子ども部屋などに設置しただけでは問題にならないとする一方、虐待や児童ポルノ撮影等が目的の場合を問題視した。
「部屋に設置する時に着替えなどが映ることを想定している、親が虐待をしている可能性があるような事案の場合には当然、法的な責任を問われる。なので、家の中のどこにでも設置していいわけではない。ただ、リビングなどであれば、防犯目的ということで一定程度認められるだろう。そういうところが議論になると思う」
(『ABEMA Prime』より)
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