多摩川でスーツケースに入った原唯之さん(46)の遺体が発見された事件。原さんは人気配信者として知られており、逮捕されたのは元交際相手とその家族。なぜ家族ぐるみの犯行だったのか。
明星大学心理学部の藤井靖教授は「“内集団バイアス”という言葉があり、『うちの子が言うことが一番正しくて、それが尊重されるべき』となると、ちょっといびつな行動だったり、危機的な状況になればなるほど家族の一体感は高まって、お互いがお互いをより助け合って結びついてトラブルを乗り越えていこうという発想になるのが、家族の場合自然だと思う」とした上で、「遺体を自宅の近くに『とにかく早く捨てたい』という、誰かがそれを言い出してみんなが同調したのではないか」と解説した。
捜査関係者によると、原さんの遺体が多摩川(大田区側)に遺棄されたのは2023年12月中旬ごろとみられ、このころ原さんは容疑者宅を訪れたことがわかっている。その後、原さんを知る人たちのあいだでは「原さんが行方不明になった」「なにか事件に巻き込まれたのでは」と、心配する声がSNSに書き込まれた。そして原さんの遺体は12月29日に多摩川(川崎市側)で発見された。
遺体はスーツケースに入れて鉄アレイとともに川に遺棄されたが、元徳島県警警部の秋山博康氏は「腐敗したら1.5倍ぐらいに顔も腫れる。パンパンになって、ガスもたまるし。犯人からしたら、沈むと思った、バレないだろう、という甘い考え方で遺棄したのだろう」と推測した。
秋山氏は「遺体を遺棄する、川に捨てるという経験はみんなないと思う。それは(沈めるためには)鉄アレイでは甘い」とコメントし、過去の捜査で「自転車にくくられた遺体」や「コンクリートブロックをつけた遺体」が浮かび上がってきた事例もあったことを明かした。
遺体が浮かぶ原理については「腐敗のガス。一旦沈むが腐敗すると浮いてくる。春、夏、秋、冬と時季によって違う。夏は短い、腐敗が早いので。冬は遅い」「ガスで絶対に浮いてくる。だから鉄アレイぐらいだったら(浮かんでくる)」と説明した。
「心理的にスーツケースに遺体を入れてというのはどういうこと?」という質問に、秋山氏は「ご遺体を遺棄する。これは犯人の心理は“証拠隠滅”。私が経験した捜査では、たとえばご遺体をバラバラにして毛布に巻きつけて、それを海に捨てるとか。赤ちゃんを殺害してご遺体にビニール袋でぐるぐる巻きにして、粘着テープでぐるぐる巻きにして川に捨てた。そういう事件がある」「早く証拠隠滅したい、そういう心理」と答えた。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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