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【映像】会見で謝罪する豊田章男会長

 トヨタなど5社の“不正行為”とは一体どんなものだったのか? 3日の緊急会見で何を語ったのか? 「そもそも日本の認証試験は厳しすぎる」という声も聞こえるが本当にそうなのか? 国土交通省を取材したテレビ朝日経済部の進藤潤耶記者に聞いた。

【映像】会見で謝罪する豊田章男会長

━━トヨタなどが行っていたのは一体どんな不正だったのか?

「『型式指定』と呼ばれる車の認証制度における不正である。型式指定とは、ブレーキや燃費の性能、品質管理体制などが基準を満たしているかどうかを国が審査する制度だ。これによって同じ型式の車の個別審査を省略でき、大量生産が可能になる」

「トヨタの場合は、現在生産中の3車種と生産終了した4車種、計7車種で不正が確認されたと発表された。具体例として、左側フェンダー(タイヤを覆う外板)の試験データを右側のデータで代用していたことや、生産を終了した車種については衝突試験で試験車両を不正に加工していたことが挙げられる。後者については、衝突によって膨らむべきエアバッグがタイマーで膨らむようにしたうえで試験していたという」

━━会見において、トヨタなどからどんな発言があったか?

「豊田章男会長は『本当に申し訳ございませんでした』と謝罪した上で、『対象車両のうち生産終了しているものも含めて、社内での検証において法規に定められた性能に問題ないことを確認している』と述べ、従って『乗っている方々に直ちに影響はない』とした。また、豊田会長はグループを含む一連の認証に関する問題について『トヨタ本体でも発覚したことは重大なこと』と謝罪し、記者からの質疑応答の際には『正直、残念な気持ち。そして、ブルータスよ、お前もかというところだ』と発言した」

━━会見の中で、「不適切」と「不正」という言葉の違いについても触れられたが、今回の認証を巡る問題はどちらに該当するのか?

「会見では『国が定める規定より厳しい基準で試験をしている』といった話もあったが、認証試験に携わる関係者に聞くと『例えば、カンニングしなくても合格できる力がある人がカンニングをして入学試験を突破し、入学後にカンニングの疑惑がかかり、調査をし、もう1度試験を受け直したら基準点を突破したから問題ないという話なのか?』という声もあった。各社トップは謝罪をしているが、認証制度への不誠実な対応があったことは事実であり、その部分を『不適切』と呼ぶか『不正』と呼ぶかは人によって判断が分かれるだろう。だが、今回国交省は『不正行為が明らかになった』という表現を使っている」

━━なぜこのタイミングで5社の不正が発覚したのか?

「昨年末から年初にかけてダイハツ工業・豊田自動織機にて発覚した認証不正問題を受け、国土交通省が自動車メーカーなど85社に対して過去10年間の認証申請における不正の有無などについての調査・報告を指示していた。その結果として、今回トヨタ自動車を含む5社での不正が明らかになった」

━━「認証試験を厳しく設定しすぎているのでは」との声もあるが、今回の不正が発覚したのは国が独自に定めている基準だったのか?

「その辺りは確かに誤解されやすい。そもそも、日本のメーカーは海外に車を輸出しており、日本車を海外で作ることもある。もちろん、輸入するなど逆のケースもある。そのため、国際的な基準に基づいて相互に認可を承認する制度があるため、日本だけが厳しいということはない」

━━認証不正が発覚した車種に乗り続けて問題はないのか?

「例えばトヨタに関しては先述のように『社内での検証の結果、定められている性能に問題ないことは確認しているため、対象車両に乗っている方も直ちにその使用を控える必要はない』と話している。とはいえ、これからの国交省の立ち入り検査の結果、以前のダイハツのように『大丈夫だ』と言った後に適合しないものが出てきてリコールになる可能性もゼロではない」

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