対局者心理だけでなく、リーダーの心境までお見通しだった!?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Aリーグ第2試合、チーム渡辺 対 チーム中村の模様が6月8日に放送された。フルセットの大激戦となった本試合は、第8戦までに出番を終えた中村八段が控室から仲間の戦いを見守ることに。解説者から「リーダーは今頃ソワソワしてるのでは?」のコメントが出ると、ポーカーフェイスが崩れ「バレてる(笑)」と思わず苦笑いが漏れる場面があった。
今大会で初めてリーダーとしてチームを率いることとなった中村八段。過去にはチームメンバーとして大会に出場していたものの、これまでとは違いチームの雰囲気作りや戦術の組み立て方など、今までにはない責任感と緊張感の中で初戦を迎えていた。対するは百戦錬磨の渡辺明九段(40)率いるチーム渡辺。リーダーの中村八段自ら登場した初陣に敗れ苦しい立ち上がりとなったものの、仲間とともに奮闘。強敵相手に一進一退の攻防を繰り広げていた。
第6局を終えた時点では4勝2敗の大ピンチ。第7戦に登板した佐々木大地七段(28)が踏ん張ると、続く第8局でも中村八段が根性で勝利をもぎ取るなど奮闘の結果、勝負は最終第9局にもつれ込むこととなった。チーム中村からは渡辺和史七段(29)、チーム渡辺からは大将の渡辺九段が登場。この日2度目ととなる“渡辺対決”は、相掛かり模様の出だしとなった。渡辺七段の厚みに対し、渡辺九段が猛攻を仕掛けたものの、渡辺七段がしっかり持ちこたえてリードを拡大。敵将を相手に堂々たる戦いぶりを披露した。
対局者以上に緊張していたのが中村八段だ。控室では仲間の奮闘を見守っていたが、解説の近藤正和七段(53)が「中村チームは今頃ソワソワしてるんではないかと思いますよ?」とリーダーの心境を推察。するとこのコメントを聞いていた中村八段と仲間の佐々木大地七段(28)は、「ソワソワ!バレてる(笑)」「見切られてるなぁ」「そこまで解説されるとは…」と驚くとともに、“名解説”に苦笑いを浮かべていた。
新リーダーらしい初々しい表情に、ファンも注目。「ソワバレ」「バレてるww」「ばれてーらww」「そわそわチーム」「控室www」「解説を実況する控え室w」「見切られてるなあ 笑」と多数の声が寄せられていた。
プレッシャーがかかる一局を担った渡辺七段だったが、強敵を相手にも冷静な指し回しを見せ、堂々の勝利。勝利を持ち帰るとともに、チーム中村の初陣勝利を決めてみせた。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)