「稼ぎまくって、育児をあまりしないパパ 稼ぎ低いが、育児を全面的にするパパ どちらのパパが世の中で、より求められているのだろう?」
5月末にXで話題となったこのポスト。投稿したJUNさんは「子どもがちょうど生まれたということもあって、育児方針や分担を決めていくタイミングだったことが理由だ」と話す。
子ども1人を育てるのに2000万円以上かかるとされ、物価は年々上昇している中、「高収入でワンオペ」派か、「低収入で家事育児協力」派なのか。まさに“究極の選択”について、『ABEMA Prime』で議論した。
■“高収入でワンオペ”派「分業ができ、心の余裕が生まれている」
「お金と時間、どちらかを優先するならお金」と話すのは、3人の子ども(18歳、16歳、9歳)を持つ専業主婦のゆいちさん(37)。夫(43)の年収は1200万円だが、平日はもちろん休日も仕事で家にいないことが多いという。それでも、「子どもに何かいるとなった時に頭を抱えなくて済むので、心の余裕は生まれている」と話す。
ゆいちさんは10年前に再婚しているが、前の家庭は低収入で共働きだった。「家事も育児も全部分担して、経済的にも体力的にもお互い余裕がなく、ギスギスして結局うまくいかなかった。今はちゃんと分業できている分、お互いにストレスなく、家庭内もよく回っている」。
そんな中、夫も日曜日は子どもと遊んだり料理などをするそうだ。「『普段、何もできなくてごめん』と言ってくれるし、時間がある時はできる限り参加してくれる。私自身は本当に文句はない」と明かす。
“高収入でワンオペ”のデメリットとしては、誰にも相談できない、明確な休みや報酬がない、育児や家事で自分の時間が少ない、などが考えられる。一方ゆいちさんは、「私の場合は実家が近くだったり、きょうだいが近くに住んでいたり、地元の友達もいるので、誰にも相談できないということはなかった。あとの2つも特にデメリットと感じたことはない」と答えた。
■“低収入で家事育児協力”派「お金じゃ買えない幸せってすごい」
2人の子ども(5歳、0歳)を持つタカコさん(36)は、“低収入の家事育児協力”派。結婚を機に、夫(43)がフルタイムの働き方から自由がきく自営業に転職し、年収は240万円。自身も仕事をセーブしているものの、年収360万円を得ている。「私が仕事やキャリアを手放したくなかったので、家事育児ができる人を探していた。仕事ばっかりで子どもとの思い出がないのは避けたかったし、成長を間近で見ていたい」と話す。
タカコさんは独身時代、かなり稼いでいたという。「月100万円ぐらい自由に使えるお金があり、お金でできることは結構やってきた。それ以外の幸せを追いかけたくなり、結婚しようと思った経緯がある。今は子どももでき、変化の連続で、お金じゃ買えない幸せってすごいなと思っている」と語る。
家事は、夫が料理や娘のお弁当作り、掃除など「普段から8〜9割、全部やってくれる日もある」という。経緯については、「夫は会社員をやっていたが、時間に融通がきかない。子どもも生まれたので、『年収は低いままでいいから融通がきく自営業で、その分家事や育児をやってもらったほうが助かる』と伝えた。本人もそれでいいよみたいな感じだった」と明かす。
“低収入で家事協力”のデメリットとして、どちらかに負荷が偏ると不満がたまる、役割が当たり前になり感謝がなくなる、自分とやり方が違うとストレスに感じる、などが考えられる。タカコさんは「確かにやり方が違って少しストレスに感じる時もある」と同意した上で、「それでも『やってくれている』という感謝を持って伝えたり、自分の希望を辛抱強く伝えたりしている」と話した。
■益若つばさ「どちらが大事というより、必要なのはパートナーのケアでは」
拓殖大学教授の佐藤一磨氏が行った、夫婦がパートナーに求める働き方の調査によると、パートナーが「管理職&正社員」「非管理職&正社員」「非正社員」「非就業」の時の幸福度の平均値は、夫側は妻が「非就業」、妻側は夫が「管理職&正社員」の時が最も高かった。逆に最も低いのは、夫側は妻が「管理職&正社員」、妻側は夫が「非就業」の時だった。
ギャルタレントのあおちゃんぺは、「私が子どもの時は“貧乏ゼロオペ家庭”だった。父子家庭で、私が学校から帰ってくると、父親が夜勤に行く。常に家に子どもが2人、私と兄しかいなかったという状況だ。お金がないことのデメリットは、“周りの子が持っているものを持っていない”“みんなが行く場所に行っていない”ことで、話題に入れない。親が家にいないことのデメリットは、年に数回の学校行事に来ないぐらいで、個人的にはお金がないことのほうがきつかった。お金があれば育児の人手は買えるので、“高収入でワンオペ”のほうがいいと思う」との考えを述べる。
アクティビスト個人投資家の田端信太郎氏は「子どもが小さい時に夫が仕事をセーブした結果、出世レースから外れたとして、子どもが成長して教育費がかかるようになるあたりから、“年収が低い”“教育費が足りない”となって離婚するケースは無きにしもあらずだ。夫からしたら“妻の希望を叶えるため”だったが、その時に妻が求めるものも違ってくる。なので、“妻の希望を100%叶えるだけだと将来ずれちゃうかもよ”“もう少し長い目で見る必要があるのでは”と最近は言っている」とする。
モデル・商品プロデューサーの益若つばさは「息子が小さい時は、働きまくって、家事と育児もやらなければと思っていた派のママだった」という。「稼ぎが多いからワンオペでもいい、低所得だから育児に協力しろ、はどちらも正しいわけではない。家庭によって得意不得意がある中で、夫婦の話し合いで合致しているから両方幸せな構図になっている」と指摘する。
また、「お金ももちろん大事で、教育の選択肢を増やすという意味では、お金があるに越したことはない」「そもそも子育ては義務ではなく、権利だ。やらないといけないものではない」とした上で、「意外に大事なのは、お金やいかに子育てと育児に参加するかというよりも、パートナーへのケアかもしれない」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
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