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【映像】解説者を驚かせた藤井棋聖の桂打ち着手の瞬間

 将棋の第95期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局が6月17日、新潟市の「高志の宿 高島屋」で行われ、藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、21)が挑戦者の山崎隆之八段(43)に111手で勝利した。藤井棋聖の快勝となった本局では、天王山への桂打ちへの構想力が見る者を驚かせる結果に。ABEMAで解説を務めた田中悠一六段(39)は「ちょっと他の人と視力が違う。8.0くらい!」と絶句状態となっていた。

【映像】解説者を驚かせた藤井棋聖の桂打ち着手の瞬間

 藤井棋聖が連勝で防衛5連覇に王手か、15年ぶり2度目のタイトル戦に挑む山崎八段が追いつくか。そんな注目の中で始まった第2局・新潟対局は、後手の山崎八段が向かい飛車を志向。「昔、似た形を指したことがあった」という右玉との組み合わせの作戦を披露した。互いに駒組みを進める中、山崎八段がやや意表のタイミングで桂馬を跳ねて開戦。藤井棋聖にとっては、「かなり早い段階で予想していない展開」となったという。

 「玉が薄いまま攻めてしまった」という山崎八段に対し、藤井棋聖は自玉を金銀4枚で堅を活かして強く踏み込んでいく。繊細な指し手が求められる山崎八段を突き放すように、自然な指し手を重ねてリードを奪った。
 
 挑戦者の山崎八段は独特な将棋観が魅力だが、対する八冠王・藤井棋聖はそれを凌駕する驚異の読みの量とスピードを誇る。藤井棋聖が得意とする終盤戦では、その能力を発揮し驚きの構想力を見せつけた。角を切って勝負に出た山崎八段に対し、藤井棋聖は攻守自在の指し回しから天王山に桂馬を据える強烈な一着。この瞬間、ABEMAで解説を務めた棋聖3期の屋敷伸之九段(52)も「ひえ~…、いっちゃった…。すさまじい組み立てですね」と驚きを隠せない様子だった。

 同じく中継に出演した田中六段も、「飛車金両取りかけさせて、桂打ちの一連の手順は本当にすごい。普通の人は両取りの時点で一回読みを打ち切るんです。藤井棋聖はさらにその先に桂打ちを発見できるか、その見通しが立つかどうかを、(中央地点に)歩を突くあたりから見ていたと思います。ちょっと他の人と視力が違う。だいぶ先を見てますよね」と興奮気味に伝えた。さらに田中六段は、「我々の視力が最高2.0くらいのところ、(藤井棋聖は)8.0くらい。相当先まで見通してないと、見えない踏み込みです」と語った後、絶句状態となっていた。

 この表現には、ファンも大興奮。「千里眼」「裸眼と天体望遠鏡かぁw」「4倍以上かもよ」「視力が違う いい表現だね」「プロ先生が唖然としとるやんww」「わかりやすい例えw」「さす聡」「絶句しとるやんww」と多くのコメントが押し寄せていた。

 この一手を受け、山崎八段はぷくっと頬を膨らませた後、大きなため息をひとつ。寄せ合いとなった最終盤、藤井棋聖はもう止まらない。正確な指し手で山崎八段を一気に押し切り、シリーズ2勝目を奪ってみせた。快勝を飾った絶対王者だが、「序盤は少し課題が残るわかれだったのかなと思いますが、中盤以降はなんとか攻めを繋げていくことができた」とあくまで冷静。来月1日に予定されている第3局に向けて、「しっかりと状態を整えて臨みたい」と静かに意気込みを語った。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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