どんな時でも冷静沈着、野村ID野球の申し子と評された野球解説者・古田敦也氏が「僕はプロ1年目にイップスになった」と意外な事実を明かした。
【映像】古田敦也氏「野村監督も怒ってた」自身の“指イップス”振り返る
古田氏は「キャッチーはピッチャーに指でサインを出して球種を伝えるが、これが怖くなった。インコースもカーブも打たれそう。何を出したらいいのかと…。そしてパッとベンチを見ると野村監督も怒っている。『打たれたらまた怒られる…』などいろんなことを考えていたら、指が本当に動かなくなった。自分は出そうと思って手を入れても、指で1を出したつもりが、ぼやっと複数本指が出たりして。野球はキャッチャーがサインを出して、やっとプレーが始まるがうまく出せないとピッチャーも頷けない。わずか10秒とか15秒の間に次に何のサインを出すか決めなければいけないが、決まらなかった」と振り返る。
その“指イップス”はどう乗り越えたのか?「打たれたら怒られるとか負けてしまうという“恐怖”があった。(同じチームでピッチャーの)高津にも『見えへん、何? 見えへん』と言われて、うまく出せなかったが、最終的には『ダメだったらしょうがない』と思うようになった。ある時、『打たれても俺のせいちゃうよ』などと思えるようになってから(いつも通り)できるようになった」と振り返った。
山王病院の脳神経外科部長でスポーツ心理学についても研究している高橋浩一医師によるとイップスとは「精神集中の際に起こるけいれんや震え」と定義されていて、緊張しすぎて震えてゴルフの簡単なパットが決まらなくなったり、野球でボールがとんでもない方向に行ってしまう症状などを指すという。治療法はいまだ確立していない、とした上で「リラックスした状態での練習」「簡単な動作から慣らす」「呼吸法や香りで気分を高める」などの行動療法を実践しているという。
(『ABEMAヒルズ』より)
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