将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)への挑戦者を決める第37期竜王戦決勝トーナメントが6月25日に開幕。開幕カードとなった一局では、渡辺和史七段(29)が現役最年少棋士の藤本渚五段(18)を77手で下し、次戦の高野智史六段(30)戦へと駒を進めた。
5組優勝の渡辺七段と6組覇者で現役最年少棋士の藤本五段が激突した決勝トーナメント開幕戦。振り駒で渡辺七段の先手となると、戦型は藤本五段得意の雁木模様の出だしとなった。先行したのは渡辺七段。棒銀から積極的に攻勢に出てペースを握り、桂打ちから後手陣に斬り込みぐんぐんとリードを拡大、瞬く間に後手玉を押し切ってみせた。
ABEMAでテキスト解説を務めた大平武洋六段(47)は、「序盤から激しい戦いとなったが、右銀を上手く使った先手が優勢に。その後は緩急自在に進めて危なげなく押し切った一局」と渡辺七段の快勝譜を総括した。
自身初となる竜王戦決勝トーナメントを完勝で飾った渡辺七段は、「仕掛けあたりは準備の形。途中から複雑なところもあり、行けそうかなという局面もあったがそんなによくわかっていなかった」とコメント。次戦の高野六段戦に向けて、「間が短いので、しっかりコンディションを整えて臨めれば」と意気込みを語った。
一方、敗れた藤本五段は「序盤は矢倉を想定していたので意表を突かれた。あまり経験のない形になってしまい、対応があったかもしれないが少しずつ差が出てしまった」とがっくりと肩を落としていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)