【写真・画像】「アクセルベタ踏み」八田容疑者は“故意”に車で跳ねたのか? “殺人罪”への切り替えのポイントとなる「殺意」の認定 1枚目
【映像】事件後に見つかった八田容疑者の車(写真あり)
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 大分・別府市で起きた大学生死亡ひき逃げ事件は、全国に重要指名手配されている八田與一(はった よいち)容疑者の消息が不明なまま、発生から2年が経過した。道路交通法違反容疑から、遺族が「殺人」への切り替えを求めるなか、重要となるのが「殺意」の有無だ。

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 2022年6月29日に発生した事件では、交差点で信号待ちをしていた大学生AさんとBさんのバイクが、八田容疑者の車から追突された。八田容疑者の車は電柱に激突したが、被害者を救護しないまま、その場から逃走。Aさんは死亡、Bさんはケガを負った。

 事故直前、近くのショッピングモールの駐輪場では、Aさんが八田容疑者から、一方的に言いがかりを付けられていた。Bさんは「けんか腰で来たらしい」と振り返りつつ、事故前後の様子を「明らかに車はベタ踏みだった」と語る。追突は100キロ近いスピードで行われた。

 検事を4年務めた西山晴基弁護士(レイ法律事務所)は、「事故状況だけを切り取ると、『交通事故でした』と弁解しやすい」と説明する。こうした状況で「衝突する意図」を認めさせるには、動機の解明が必要となるが、「本人の供述がない状況では、なかなか解明できない」現状があるという。

 しかしながら、直前の口論などの状況証拠から、「殺人容疑に切り替えることは難しくない」という。すでに発生から2年経過していることから、「証拠はある程度そろっているだろう」とみているが、「動機」が解明できていない。「(未逮捕のため)供述が取れず、それを理由に裁判所が逮捕状を出さなかったとなると、『別府警察は失敗した』との評価につながる」との見解を示した。

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 遺族らは6月28日、別府市長と面会した。その席で、長野恭紘市長は「ひき逃げではなく、殺人罪で(容疑を切り替える)という署名活動も聞いている。本当にひどすぎる。殺意があったのは間違いないだろうと私も思っている」と語った。

 清原博弁護士は、八田容疑者がどのような認識を持っていたかがポイントだと語る。「ひき逃げ事件の1年前、ある人物に『ややこしい人の対処』を聞いて、『車でひいてしまえばいい。道路交通法違反になる』と言われたとの情報がある。この会話が事実ならば、八田容疑者は認識を持っていた。客観的な状況から見ても、ブレーキを踏まず、時速100キロで衝突している。意図的にぶつかったと立証できる」。また、事件直前に八田容疑者とAさんは、口論になっている。「これだけ証拠がそろっているなら、裁判所に『捜査を尽くしたところ、殺意を立証できるとわかった』と説得力を持って言える。大分県警は年内にも、逮捕状を殺人罪に切り替える方向に進めるべきだ」と考えを述べた。

 この事件の取材を重ねる元徳島県警警部の秋山博康氏が、捜査側の視点で語る。逮捕状を請求するにあたり、必要となるのが「犯人性の証拠」だ。「直前に因縁があり、Bさんの重要証言がある。もめ事があったら『ひいてしまえばいい』の証言もあり、そして現場にブレーキ痕がない。逮捕も裁判もされていない段階、逮捕状請求の段階の相当な理由なので殺人罪で令状を取るべきだ」。

 さらに、犯罪には「故意犯」と「過失犯」があると、秋山氏は解説する。殺人は故意なのに対して、現在の「救護義務違反」は過失が前提であり、「真相が殺人だと、別件逮捕と言われる可能性もある。逮捕状を殺人と殺人未遂で請求して欲しい」とした。

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 現在の道路交通法違反(ひき逃げ)では、罰則が10年以下の懲役または100万円以下の罰金、時効は7年と定められている。しかし殺人罪に切り替えられた場合、死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役となり、時効も消滅する。

情報提供は別府警察署(0977-21-2131)まで。X(旧Twitter)の番組公式アカウント(@News_ABEMA)のダイレクトメッセージでも情報を募集している。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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