【写真・画像】「すごく自然なお芝居を求められていた」『小市民シリーズ』梅田修一朗・羊宮妃那インタビュー 1枚目
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 直木賞作家・米澤穂信氏が2004年に刊行した学園ミステリ『春期限定いちごタルト事件』と2006年刊行の『夏期限定トロピカルパフェ事件』が、『小市民シリーズ』としてTVアニメ化され2024年7月6日から放送開始となる。

【放送】『〈小市民〉シリーズ』第1話

 小市民として穏やかな生活を望む主人公の小鳩常悟朗と、同じ志を持ち小鳩と互いに助け合う「互恵関係」を結んだヒロイン・小佐内ゆきが、学園生活の中で巻き起こるさまざまな謎や事件に巻き込まれていくというストーリーだ。

 中学時代の苦い経験からそれぞれ秘めたるものを持ちつつ、小市民たらんとする小鳩と小佐内が物語の中心となる本作だが、複雑な役どころとなるためどのように役作りがなされていったのかが気になるところだ。本記事では小鳩役の梅田修一朗と小佐内役の羊宮妃那に、役作りや二人の関係性についてインタビューを実施した。

――本作は互いに小市民を目指す小鳩と小佐内の二人を中心に展開していきますが、どのように役作りをしていったのかお聞かせください。

梅田:小説が原作となるので、どういう会話やモノローグがあってどんな言葉を使うのかというところから想像していったのですが、小鳩くんは小説でも個性的な言い回しが多くて、そこから自分の中でイメージができていきました。あと、オーディションの時に初めて原作をしっかり読ませていただいたのですが、オーディション用の台詞とともに小鳩くんの見た目の資料もあったので、役を形作っていく手がかりになりましたね。

――見た目という点ですと、原作では地味な二人という描写もありましたが、TVアニメではけっこうなイケメンと美少女ですよね(笑)。

羊宮:私もそう思いました!

梅田:シュッとしていて(笑)。小佐内さんも最初は小説でも書かれている通り、髪型は尼削ぎで小動物感のある小柄な女の子かと思いきや。

――第1弾PVでも片鱗が描かれていますが、強烈な内面を秘めているキャラですからね。羊宮さんはどのように役作りをされていきましたか?

羊宮:オーディションの段階から、すごく自然なお芝居を求められていました。最初はナチュラルなお芝居だと抑揚があんまりつかないようなイメージだったのですが、人間性が出る瞬間がその抑揚がつけられるところにあるような気がして。ゆきちゃんは甘いものが好きなので、(甘いものを食べる時など)抑揚をつけるところは思いっきりつけつつ、ナチュラルさもあるお芝居がどこまでできるのかを意識して、お家で役作りをしていました。

――小佐内さんの人間性は、確かにケーキを食べている時にすごく表れそうですね。心情表現のさじ加減が難しい役どころですが……。

羊宮:そうですね、難しいのですけれど(芝居の抑揚を)出し過ぎていると言われることはあまりなくて、どちらかというと(スタッフから)もっと出してもいいですよと言われることの方があった気がします。

――小鳩と小佐内は、本作ならではの互恵関係を結んでいることもあって、かなり特殊な関係性ですよね。

梅田:そうですね、特に小佐内さんの存在が。小鳩くんを第1話で表現する上では、過去の出来事から小市民になりたいと強く思っている反面、心の底では事件を推理して解決することに喜びを見出しているという矛盾を抱えているというか、両極端な想いを抱えている。だからこそ(同じ志を持つ)小佐内さんといる時にちょっとクールに見えたりお茶目に見えたり、いろいろな表情があるというところは意識して演じさせていただきました。

――原作は小鳩の一人称で進むので、小鳩視点での小佐内の心情しかわからないこともあり、役作りをした上での掛け合いの妙もポイントかなと思っています。

羊宮:そうですね。(原作小説では)ゆきちゃんから見た小鳩くん像が明確には描かれていないので、掛け合いとはちょっと違うのですが、小鳩くんは(梅田の演技で)すごくナチュラルに小市民から外れていってくれて(笑)。

一同:(笑)

羊宮:そういう意味では、ゆきちゃんの心情として含みのあるお芝居はすごくやりやすかったですね。

梅田:確かに、僕にも覚えがあります(笑)。

――やはり、はっきりと原作に心情が描かれていない分、心情をどこまで出すかがポイントでしょうか。

羊宮:表現としてはゆきちゃんに100%向き合ってのお芝居をしているのですが、あくまでゆきちゃんなりの100%の表現になるので、見てくださった時に温度差みたいなものと言いますか、例えばゆきちゃんがやきもちを焼いているようにも見えるような、そんな感じもあるのかなと。でも内心どう思っているのかについては、ぜひアニメを見た上で感じ取っていただきたいですね。

梅田:そんな中で小佐内さんが見せるスイーツを食べるときの表情だとか、スイーツのことになると積極的になる一面とか、アニメだと可愛らしくて面白い動きもあると思うので、そういったところにも小佐内さんらしさが詰まっていて魅力的だと思います。

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 恋人でも友人でもない互恵関係という特殊な結びつきをする小鳩と小佐内を、梅田と羊宮がどのように演じて掛け合っていくのか。TVアニメでその演技にも注目しつつ、物語を楽しんでみてほしい。

『小市民シリーズ』

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【公式HP】https://shoshimin-anime.com/
【公式X(旧Twitter)】https://x.com/shoshimin_pr

取材・撮影・テキスト/kato
(C)米澤穂信・東京創元社/小市民シリーズ製作委員会

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