勝利のスコアはわずか+18.2。この数字が激戦を物語っていた。Mリーガー、各プロ団体推薦者が出場する「Mトーナメント2024」ファイナルステージB卓が7月15日に開催され、B卓では松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)がオーラスに大逆転、本人も驚く首位通過を決めた。2位通過は瑞原明奈(U-NEXT Pirates・最高位戦)。初戦で手痛いラスを食らうも、第2試合の中盤で抜け出し逃げ切った。
第1試合は東家から仲林圭(U-NEXT Pirates・協会)、松本吉弘(渋谷ABEMAS・協会)、瑞原、松ヶ瀬の並びで開始した。松ヶ瀬は1万8800点持ちの東3局1本場、リーチ・一発・ツモ・ダブ東・三暗刻・ドラ3の1万6000点を成就。これでトップ目に立ったが、南場に入り松本の猛追に逆転を許し2着。
第2試合は東家から松ヶ瀬、松本、瑞原、仲林の並びで開始。東3局、瑞原のリーチに振り込むとこれがなんと親倍満。痛恨の一撃を食らい、その後も失点が続いて箱ラスまで落とされてしまう。しかし松ヶ瀬の“砲撃”はここからだった。東4局4本場に跳満をツモり地上へ戻ってくると、その後もアガリを重ねてオーラスは四者が競りという珍しい展開となった。
南4局はラス親の仲林が粘る。4本場までもつれ、松ヶ瀬は満貫ツモ条件。3巡目、ドラ五万が対子のチャンス手で、七対子とメンツ手の天秤というこの日最大の分岐点を迎えた。熟考の末、メンツ手を断ち切り七対子へ。これが奏功し、6巡目に8筒待ちのテンパイへたどり着いた。瑞原、松本が9筒を第1打に切っていることに加え、仲林の河には5筒があり、8筒は絶好。そして9巡目、その8筒をツモり上げ1万2000点(+1200点)のアガリ。2着・2着で首位通過を決めた。
首位通過でありながらトップはなく、最終成績も+18.2という超ロースコア。この結果に松ヶ瀬自身も「いいんですか?僕1位で。2万4000点打ったし、トップ取ってないし…」と苦笑い。決勝点となった七対子については「8筒がすこぶる良さそう。この待ちになれば、結構勝てるんじゃないか」とイーシャンテン時からすでに構想があったことを明かし、これに視聴者は「見事ですわ」「すげーな」「本当に凄かった」「流石プロの思考」と称賛のコメントを寄せていた。
同日に行われたA卓ではチームメイトの勝又健志(EX風林火山・連盟)が敗退。松ヶ瀬は「僕が負けなければ、優勝したのはチームEX風林火山から出た選手ということで誇れる」と語り、インタビューの締めには「最後、一番笑っている人になりたいと思います」と加えた。
【第1試合結果】
1着 松本吉弘(渋谷ABEMAS・協会)4万4000点/+64.0
2着 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)2万6000点/+6.0
3着 仲林圭(U-NEXT Pirates・協会)2万3900点/▲16.1
4着 瑞原明奈(U-NEXT Pirates・最高位戦)6100点/▲53.9
【第2試合結果】
1着 瑞原明奈(U-NEXT Pirates・最高位戦)4万9300点/+69.3
2着 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)3万2200点/+12.2
3着 仲林圭(U-NEXT Pirates・協会)2万6000点/▲14.0
4着 松本吉弘(渋谷ABEMAS・協会)▲7500点/▲67.5
【最終結果】
1位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)/+18.2
2位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates・最高位戦)/+15.4
3位 松本吉弘(渋谷ABEMAS・協会)/▲3.5
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates・協会)/▲30.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mトーナメント プロ麻雀リーグ「Mリーグ」初となる冠大会で個人によるトーナメント戦。現Mリーガー36人と元Mリーガーやタイトルホルダーなどプロ5団体からの推薦者24人、計60人で行われる。Mリーグの昨シーズン優勝チーム所属の4選手は、予選2ndステージからシード出場となる。全試合「Mリーグルール」で行われ、予選は1stステージ、2ndステージ、ファイナルステージに分けて行われ、それぞれ2位までが次のステージに進出。セミファイナル(ベスト8)、ファイナルを経て優勝者を決める。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)