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【映像】「逆プロポ」、企業側の意外なメリットとは?
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 「どんどん社会課題を民間が解決していく時代になっていく。100年、150年単位のチェンジに取り組んでいる」

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 そう話すのはスタートアップ企業 ソーシャル・エックスの伊藤大貴代表だ。

 もう一人の共同代表である伊佐治幸泰代表と官民連携の新たな形「逆プロポ」に取り組んでいる。

 通常、自治体と企業との連携では、自治体が社会課題を提示し、資金を用意して、企業側がその解決方法を提案する。「逆プロポ」は、企業が関心を持つ社会課題を提示して発注側となり、資金も用意。その社会課題を解決したい自治体側が実証実験の受け皿として名乗りを上げる。そのマッチングを行うのがソーシャル・エックスだ。

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 逆プロポについて、伊佐治代表取締役は「(企業は)自分たちの持っている技術やアイディアを自由に自治体に提供ができる」と話し、伊藤代表は「民間企業の方が『こんな社会課題に興味があります。お金用意しました。自治体の皆さん、この社会課題の詳しいことを教えてください』と、自治体を募集する。つまり、自治体が選ばれる側なのだ」と説明した。

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 自治体にとっては企業から資金が出ることで、予算をかけずに年度の縛りもなくスピード感をもって社会課題の解決に取り組める。また、仲介するソーシャル・エックスも企業から手数料を受け取る。一方、資金や手数料を支払う企業にとってはどのようなメリットがあるのか?

 実際にこの仕組みを活用した東京の企業「ドクターメイト」。夜間に介護施設入居者の容体が急変した際に夜勤の職員に代わってドクターメイトの医師と看護師が救急搬送の必要性などをオンラインで判断する相談サービスを手掛けている。

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 ドクターメイトは夜勤職員の負担など、施設の職場環境改善を目指す北九州市と組み、市内17施設の協力を得て実証実験を行った。結果、76.8%が「業務負担が解消された」と回答するなど、夜勤職員の不安軽減にもつながったという。かかった資金は数百万円。それでも様々なメリットがあったという。

 「スタートアップは若い会社で、医療介護に取り組む際に信頼性の部分で、どうしても疑われてしまう。だが、北九州市さんとの実績があると『ちゃんとしている会社なんだな』と見てもらえる」(ドクターメイト 青柳直樹代表)

 サービスの導入効果を検証できたこともあり、他の施設からの問い合わせも増え、契約施設数は実証実験前の3倍近いおよそ900施設に増えたという。他にもメディア露出が増えたり、採用エントリー数も増加。また、内閣府から取り組みが表彰されたことで、社会課題解決を重視する投資家からの問い合わせも急増したという。さらに、自治体と対等な関係で取り組めたことも大きかったと話す。

 「17施設へのアンケートの回収や呼びかけも自治体の方に非常に熱心に取り組んでくれたので、ちゃんと実証データが出た」(青柳代表)

 そんな新たな発想で挑む、官民連携の新しい形「逆プロポ」。生まれたきっかけは、大企業で新規事業開発を担当していた経験があった伊佐治氏の一言に、議員経験を持つ伊藤氏が衝撃を受けたことだという。

 「『高齢者免許返納問題で事業を作りたいと考えた際に、民間の調査会社やコンサルに依頼したが結局、解像度が高まらなかった。その時はお金を払ってでも課題を知りたかった』と(伊佐治氏が)ポロッと言った。行政からすると企業が近づいて来た時はお金(を取られる)と想定するため、『お金を出すから社会課題のことを教えて』というのは衝撃だ。仕組みはシンプルだが、これはすごいと興奮していた」(伊藤氏)

 ソーシャル・エックスは、2020年からこのサービスを開始し、現在では、企業側はスタートアップから大企業まで22社が利用、エントリーしている自治体は政令市も含め延べ70にのぼり、広がりをみせている。

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 逆プロポについて、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は「非常に面白い取り組みだ」とした上で次のように評価した。

 「自治体は前例踏襲主義で、成果が出るか分からないものに予算を投じることに腰が重くなりがち。でも、企業側から『ひとまずお金を出してやってみますよ』と言ってもらえたら、『じゃあぜひ!』と進めやすく、フットワークが軽くなる。一口に社会課題と言っても、人口減少や少子高齢化のような大きな問題ばかりでなく、サイズ感は色々だ。逆プロポは、小〜中規模の社会課題を解決し、“社会のバグ”を手当てしてアップデートする際の1つの選択肢になるのではないか」

 さらに神庭氏は間に入るソーシャル・エックスの役割について、こう指摘した。

 「自治体と企業のマッチング、目線合わせが非常に大切だ。仮に自治体の側が『お金を払わずに済んでラッキー』くらいの軽い気持ちだとしたら責任感に欠ける。企業の側も『これは宣伝であり先行投資。お金を出すんだからウチらの好きにやらせてもらうよ』みたいなことでは困ってしまう。互いが事業に対してオーナーシップを持ち、『共創』の気持ちでやっていくべきであり、両者をつなぐソーシャル・エックスの手腕が問われる。重要な役回りだ」
(『ABEMAヒルズ』より)

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本記事は自動文字起こしツールや生成AIを利用していますが、編集部の確認を経て公開しています。

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