先週月曜、石川県金沢市内の老舗ビアホール「ぴるぜん」で崩落事故が起きた。当時の様子や被害状況について料理長の熊本朱峰さんとマネージャーの渡邉佳那子さんに話を聞いた。
被害直後、壁がごう音とともに崩れ落ち、店内には砂煙が上がり、天井の梁も折れてしまったという。原因は、隣のビルの解体工事。
熊本さんは「うちの建物だけを残し、隣のビルを解体する作業だった。大きい重機で基礎のコンクリートを剥がす作業をしていて、その基礎のコンクリートの部分が何かの影響で(店の)壁側に突っ込んだような形」「縦3メートルの横6メートルくらいの大きな穴が開いている状況言葉にならない」と語る。
解体工事の現場ではこれまでも事故やトラブルが頻発している。2019年、横浜市で解体工事中の雑居ビルで高さ3mある鉄板と足場が歩道側に倒れ、67歳女性が下敷きとなり、骨盤を折る重傷を負った。2020年、大阪・高槻市では地中の杭を引き抜く作業中、クレーン車が転倒して隣接する住宅に直撃し、火災が発生した。2021年には、神奈川県相模原市で病院の解体工事中に2階部分から長さおよそ10mのコンクリートが落下。男性作業員が下敷きになり、死亡した。
今回、被害にあったのは創業56年の、老舗ビアホール「ぴるぜん」。チェコやドイツなどの伝統的なビール。そして、アイスバインやソーセージなどの伝統的ドイツ料理。金沢の地元食材を使った欧風料理が堪能できる地元で古くから愛される、本格ビアホールだ。
現場付近は住居や店が密集しており、事故があった建物と店はほとんど隙間がなく、壁一枚だけで隔てられていた。
熊本さんは事故当時について、外出先で防犯カメラと連動した自身のスマホを見て「すぐに向かった。着いた頃には壁に穴が開いているという状態だった」と語った上で「解体業者さんが中の瓦礫を撤去するような作業もしていたが、半ばパニック状態のように見受けられた」と振り返った。
一方、マネージャーの渡邉佳那子さんは営業再開のめどが立たない現状を説明。「今月だけでも500人弱のご予約をいただいている。そのお客様をすべて受け入れてくださるお店があったので、引き受けていただいたような状況」と話す。
さらに、今回の事故による補償について熊本さんは「今、保険会社さんとも話していて、この壁の修繕などの補償に関しては大方出るのではないかという話は聞いている」と説明。しかし、「休業補償に関しては全くわからない状況。また、アルバイトの給料など、すでにシフトに入っていた分は支払わないといけない状況で、その辺もどうなるか本当に心配」と語り、先行きの不透明さによる不安を吐露した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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