チームで、個人でも頂点に立ち、これ以上ない形で戦いの日々が終わった。Mリーガー、各プロ団体推薦者が出場する「Mトーナメント2024」ファイナルステージ卓が7月28日に開催。オーラスまでもつれた混戦の末、小林剛(U-NEXT Pirates・麻将連合)が初優勝を果たした。
Mリーグ2023-24シーズンの優勝チームに与えられたシードで2ndステージから出場した小林。実力者が揃った各団体の推薦選手、またMリーガーを巧みにかわしファイナルへ進出した。第1試合は東家から松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)、小林、杉浦勘介(連盟)、本田朋広(TEAM雷電・連盟)の並びで開始。小林は松ヶ瀬に次ぐ2着目で迎えた南1局、配牌でドラのダブ南が暗刻という大チャンスを迎えた。本田が先制リーチをかけてきたが、7・8筒の変則2面待ちで追いついてダマテン。これに杉浦が飛び込みダブ南・ドラ3・赤の1万2000点を獲得。このリードを保ち先勝した。
運命の第2試合、東家から小林、杉浦、本田、松ヶ瀬の並びで開始。東4局に小林はトップ目松ヶ瀬から4・7索待ちで白・三暗刻・ドラの8000点(+600点)をロン。リャンメンではなくシャンポンでツモリ四暗刻に受ければツモっていたという経過でファンをひやひやさせたが、これで優勝へ大きく前進した。しかし南2局に杉浦の猛攻を受け、トップ目の座を奪われると、南3局には本田の親満貫で3着へ落ちてしまう。
圧倒的優位からまさかの転落、杉浦による初の推薦選手としての優勝かと視聴者の視線が注がれる中で、小林の勝負強さは残っていた。南3局1本場、小林は平和・赤2・ドラの満貫をダマテンに構え、本田の親リーチに危険牌を連続プッシュの末にツモ。これで本田をかわして2着目となり首位浮上、杉浦へ5200点の直撃もしくは跳満ツモの条件を押し付けた。決着は南4局1本場。優勝への条件が役満と厳しくなった本田が、順位上昇を狙いリーチ。杉浦がこれに放銃し、小林の優勝が決まった。
「コバゴーおめでとう!」「小林さん優勝で嬉しい」と多数の祝福コメントに包まれ、小林自らも「最高のシーズンでしたね!」と笑顔で始まった優勝者インタビュー。Mリーグでは個人成績が30位と奮わなかったことに触れ「(レギュラーシーズン、セミファイナル、ファイナルと全て首位で)完全優勝といわれて1人気まずい思いをずっとしていた」と苦笑い。それでも「完全優勝と言ってもいいのかなと思います」と胸を張った。
ライバルに追い詰められた最終戦を反省しきりで振り返った上で、最後に小林はファンへ「来シーズンも、もう1、2カ月で始まりますので、連覇を目指して頑張っていきたいと思います」と力強く目標を語った。シーズンと同時制覇で正真正銘の“完全優勝”。連覇を目指し“船長”の円熟期が続く。
【第1試合結果】
1着 小林剛(U-NEXT Pirates・麻将連合)4万3600点/+63.6
2着 杉浦勘介(連盟)2万6700点/+6.7
3着 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)1万6200点/▲23.8
4着 本田朋広(TEAM雷電・連盟)1万3500点/▲46.5
【第2試合結果】
1着 本田朋広(TEAM雷電・連盟)4万6100点/+66.1
2着 小林剛(U-NEXT Pirates・麻将連合)3万4000点/+14.0
3着 杉浦勘介(連盟)2万2100点/▲18.9
4着 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)▲1200点/▲61.2
【最終結果】
1位 小林剛(U-NEXT Pirates・麻将連合)/+77.6
2位 本田朋広(TEAM雷電・連盟)/+19.6
3位 杉浦勘介(連盟)/▲12.2
4位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山・RMU)/▲85.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mトーナメント プロ麻雀リーグ「Mリーグ」初となる冠大会で個人によるトーナメント戦。現Mリーガー36人と元Mリーガーやタイトルホルダーなどプロ5団体からの推薦者24人、計60人で行われる。Mリーグの昨シーズン優勝チーム所属の4選手は、予選2ndステージからシード出場となる。全試合「Mリーグルール」で行われ、予選は1stステージ、2ndステージ、ファイナルステージに分けて行われ、それぞれ2位までが次のステージに進出。セミファイナル(ベスト8)、ファイナルを経て優勝者を決める。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)