「今月の生活費が足らず、まともにご飯も食べられていません。先月の水道、電気代も現在滞納中でどうしようもありません」
これから先、どう生活をしていけばよいのか。困窮する若者から寄せられた悲痛な叫びだ。
「夏休みに入ってから困窮の相談が増えている」
こう話すのは認定NPO法人D×Pの今井紀明理事長。D×Pでは親からの虐待など、生きづらさを抱えた若者がLINEで相談することができる「ユキサキチャット」を設置。物価高の中、家計に負担のかかる夏休みに入ったことで、寄せられる相談の数が多くなっているという。
「子どもたちや学生たちにとって夏休みは時間ができる分、親との関係性が悪いことや、お金がないことで響く問題が多く、食べ物や虐待の問題が増える時期だ」
現在の登録者数は1万4千人を超えるというユキサキチャット。登録のペースも例年に比べ増加しているという。「生活するためのお金がない」「親に頼ることが出来ない」といった若者たちが抱える悩みは多岐にわたる。
「『クーラーを止めています』といった声や、その影響で家で勉強が出来ない、ご飯を減らさざるを得ない、体調が悪くなっているなどの声も届く。また、今の時期は大学の学費延納の支払い期限なども重なっているが、払える見込みがない若者もいる」(今井理事長、以下同)
D×Pが食料支援を希望する若者を対象に行った調査では、46.2%が「週に食べない日がある」と回答。中には「週3〜4日食べない」と答えた人もいたという。
先の見えない不安から、時として犯罪に巻き込まれることもある。
「なんとか効率よく稼ごうと登録したバイトが詐欺系だった、困窮状態を脱するために始めたバイトで詐欺に遭った。夏休みはこういった相談が増える傾向にある」
D×Pでは保護者を頼ることが出来ず困窮している若者に対し、食料支援や現金給付などを実施。財源は寄付金などで賄っているという。
「15歳から25歳の若者たちの食料支援を行っているが、中には電気・ガスが止められているという子もいるので、常温だけで食べられるものをカスタマイズしてサポートしている」
今井理事長は、若い世代を孤立させない社会を目指している。
「物価上昇は困窮世帯ほど影響を受けるので、なんとか私たちは25歳まではサポートし、社会に出る準備を支援していく。彼らが希望を持って生きられるような環境を作っていくことは必要だ。夏休みにサポートできれば」
夏休みにおける子どもの困窮について、The HEADLINE編集長の石田健氏は「現在、支援が手厚い自治体と十分に手が行き届いていない自治体がある。そのため、まずは国が大規模な政策を打ち、その上で各自治体が実情に沿った細やかなサポートを行うべきだ」と指摘した。
さらに石戸氏は「夏休みの意義」について「そもそも夏休みが設定された時代と今では社会状況が全く違う。共働きが増え、親が家におらず、給食がなければ昼食がとれない家庭も出てくる。こういった問題が生じているため、期間や『子どもは夏休みに何をするべきか?』などについて改めて考えるべきだ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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