リーダーであり兄弟子の愛情あふれるアドバイスが、ファンの心も揺さぶった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント1回戦・第4試合、チーム中村 対 チーム稲葉の模様が8月24日に放送された。2連敗と思うような力を発揮できずにいたチーム稲葉の藤本渚五段（19）。自身3度目の登板となった第8局では主将の稲葉陽八段（36）から熱いメッセージを送られ見事勝利する姿に、視聴者からも「素敵なお兄ちゃんやな」「稲葉先生はほんまええ男」と多くの反響が寄せられていた。
チーム稲葉の藤本五段は、現役最年少棋士として注目を集めるだけでなく、公式戦でも大活躍。2023年度には若手棋戦の加古川青流戦で優勝を飾ったほか、将棋大賞の新人賞と最多勝利賞をダブル受賞した。今大会では、同門の上野裕寿四段（21）とともに稲葉八段からドラフト指名を受け、メンバー入り。チーム稲葉“井上一門”のエースとして奮闘している。
しかし、本戦1回戦では第2局で佐々木大地七段（29）に、第5局では相手リーダーの中村太地八段（36）と対戦経験の少ない関東所属の先輩棋士たちに敗戦。がっくりと肩を落とす表情も見られた。兄弟子でリーダーの稲葉八段が連勝でチームを支えていたものの、準決勝進出には藤本五段の力は必須だ。
3度目の登板を任されたのは、チーム3勝4敗の大ピンチで迎えた第8局。藤本五段は、再び敵将・中村八段との対戦が決まった。作戦会議室でやや不安げな表情の藤本五段を見た稲葉八段は、「まあまあ、さっきのリベンジだね！悔しいのは盤上で晴らすしかないから！やりかえしてきて！」と熱いエールで背中を押した。
兄弟子からの愛情あふれるアドバイスに、ファンも「いいリーダー！」「稲葉リーダー素敵すぎる」「どんな時でも稲葉さんがいれば場が明るくなる」「優しい！」「稲葉株爆上がり」「師匠に似てきたね」「稲葉リーダー上司にしたい」「兄さん優しい」「素敵なお兄ちゃんやな」「稲葉先生はほんまええ男」「おれも真似しよ」と心を揺さぶられた様子だった。
「存分に暴れてきてください！」との兄弟子の熱い言葉で対局に向かった藤本五段は、「絶対に勝つという気持ちで」と気迫をみなぎらせ、角換わりの一局で見事中村八段に快勝。隙の無い指し回しで相手リーダーをや破り、フルセットに繋げる“大金星”をチームに持ち帰った。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
