8月が終わりに近づいても、厳しい暑さが続く日本。まだまだ注意が必要なのが、「ペットの熱中症」だ。
今年、愛犬が熱中症で入院したという女性は 「1週間くらい入院した。下痢が続いたり、足元がおぼつかない感じでふらついたり。急遽病院に連れて行って、一時は『今日が山場』と言われました」と振り返った。
港区動物救急医療センター芝アニマルクリニックの稲野辺悠院長によると、週に1匹は熱中症とみられる症状の犬がやって来るといい、直腸で測った犬の体温が41℃以上という熱中症になると、臓器や組織に影響が起こるという。
この他にも、急に立てなくなったり、呼吸が荒くなったり、苦しそうにすることなどが熱中症の兆候だという。また、熱中症になりやすい犬種もあるそうだ。
「圧倒的に大型犬がなりやすい。大型犬は非常に活発に動き、運動量も多い。中型・小型犬でもフレンチブルドッグやパグなど、“短頭種”の犬は鼻の穴が狭く喉の構造も呼吸効率が悪いためなりやすい。また、肥満の犬はどの犬種でもなりやすい」(稲野辺院長)
アニコム損保が発表した2023年の犬の熱中症の診療件数は1424件。稲野辺院長によると、命を落とすケースもあるという。こうした中、飼い主たちは工夫を凝らしているようだ。
「水分補給をしっかりさせる。部屋の中でも冷房をいつもより温度を下げる」(飼い主A)
「首に保冷剤を巻いてあげる。マンションの中はベビーカーで移動し、ベビーカーに扇風機をつけてワンちゃんに当たるようにして涼しく対応している」(飼い主B)
稲野辺院長も、熱中症対策には体を冷やすことが有効だと話す。
「水に浸した濡れタオルを首、脇、股につけ、体温を少しずつ緩やかに下げる。急激に冷やすと低体温症になり、もっと体調が崩れてしまうため注意が必要だ。緩やかに下げることが大事」
また、室内でもこまめに冷房を調節し、高温多湿の環境を作らないことが重要だと指摘した。
「今年は特に暑い夏で、9月になっても高温多湿の環境になりやすいと思われる。これまで熱中症で命を落とす犬をたくさん見てきた。それだけ危険だと認識してほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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