MLB1年目から、文字通りのフル回転で登板し続けるサンディエゴ・パドレスの松井裕樹。そんな松井を、元・MLBプレーヤーの長谷川滋利氏が直撃し、現在の活躍を支える秘訣について話を聞いた。
8月25日に放送された『ABEMAスポーツタイム』では、長谷川氏が松井を直撃。「メジャー1年目で、すごいアジャスト力だと思う。自分は1年目はボロボロだったんで」と、自身の渡米時を引き合いに出しつつ、その健闘ぶりを称えた。
長谷川氏は、「足の上げ方をいろいろ変えてる。止めたり速くしたり」と言及。今季の松井は、投球時に打者側に近い右足を、投球動作の途中で止めるように“間”をとったり、逆に速く下ろして踏み込んだりといった変化があった点を尋ねた。
シーズン中にも見られた変化について、松井は「その時は止めた方が良かったんですけど、止めすぎると(身体が)出て行く時に(フォームが)崩れやすくなる」と回答。シーズン当初は右足を一度止めるようなモーションであったものの、その場合はボールに強い力を伝えられるというメリットがある一方で、フォームが崩れるリスクがあったことを明かした。
そのことに気づいてから、“登板しながらシーズン中に調整する”という異例の取り組みに着手。その結果が現在の活躍に繋がっているのだと語った。
松井はこうした自分の中での調整に加え、先輩チームメイトであるダルビッシュ有から受ける“金言”の存在も大きいという。
「悪い球の中にも良い部分だったり、良い球の中にも悪い部分があったりっていうのを、しっかり見過ごさないようにする。毎日試合があるので、悪かった部分を引きずらないために、悪い試合の良かった部分をしっかり見てあげて、というところを(ダルビッシュから)よく言われる」と振り返りを行う上でのポイントについてアドバイスを受けることに言及した。
さらに、NPB時代と一番異なる点として松井は、「データを見ると低めが強い選手が多いので、僕の場合はストレートを高めに。日本だとたぶんボールになる高さなんですかね。そこに目掛けるっていうコントロールがなかったんで、キャッチボールでも高めに狙ってます。胸じゃなくて、このへん(※頭の上)狙うぐらい。そこに投げにいくっていうのは、最初は身体自体も違和感があったんですが、それは慣れてきました」とコメント。
MLBでの野球に適応する形で、高めのボール球の制球力に磨きをかけていることも明かすこととなった。
こうした松井の発言を受ける形で、スタジオの元MLBプレーヤー・川﨑宗則氏は「難しいですよ。勇気いりますし。そのちょっと崩れたフォームを直したことによって、悪かったらもう一気に悪くなっていくんで」と、“シーズン途中のフォーム修正”がいかに難しいものであるかを語った。
その上で「すごく勇気いるんですけど、これを後押ししてるのもダルビッシュ・クリニックですよ」とコメント。技術面はもちろん、メンタル、フィジカル面において改めて“先輩・ダルビッシュ”の存在の大きさを強調する形でコメントしていた。
(ABEMA『ABEMAスポーツタイム』)