自分がダメなら、応援だけでも全力だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント準決勝・第1試合、チーム藤井 対 チーム永瀬の模様が8月31日に放送された。試合はスコア5-3でチーム永瀬が勝利、連覇に向けて決勝進出を果たしたが、エース級の活躍を見せてきた増田康宏八段（26）は相手のリーダー藤井聡太竜王・名人（王位、王座、棋王、王将、棋聖、22）の前に2連敗。応援だけでもチームに貢献したいと前のめりになると、仲間の絶品手に「よーし！」とガッツポーズを決める瞬間が訪れた。
増田八段は「まっすー」の相性で呼ばれ、10代で棋士になったころから、率直な物言いなどでも知られた若手実力者。まだタイトル挑戦経験はないものの、順位戦では着実に昇級を重ねて、今期から初のA級に参加している。趣味の筋トレで体を鍛えるほか、リーダー永瀬拓矢九段（31）とは研究パートナーでもあり、このABEMAトーナメントでも毎年ドラフト指名を受ける、よき相棒・片腕として有名だ。
チーム永瀬の連覇に向けて、この試合でも活躍が期待された増田八段だったが、出場した2局はいずれも藤井竜王・名人で、先手番、後手番1局ずつ指したが、どちらも完敗を喫してしまった。ただ、そんな中でもチームのムードを高めようとしたのが、応援になって出た。第5局、大先輩・森内俊之九段（53）が青嶋未来六段（29）と対戦、激しい攻め合いになったところ、森内九段が後手から△2五桂という絶品の一手を選択。これを見た増田八段はすぐさま「よーし！」と両手を突き上げてガッツポーズすると、横で見ていた永瀬九段が「あはは」と笑い出すことに。この一手をきっかけにも森内九段がさらに攻勢に出て勝利を掴むと、永瀬九段と増田八段は安堵の表情を浮かべていた。
普段はクールに振る舞うことも多い増田八段の大きなアクションだっただけに、ファンからは「おぅし！」「まっすーかわいかった」」といった反響が集まっていた。
◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
