【W杯2026アジア最終予選】日本代表 7-0 中国代表(9月5日/埼玉スタジアム2002)
あわや大怪我という危険なプレーだった。
日本代表の南野拓実が左サイドの深い位置からクロスを上げようとした瞬間、中国代表のDFに足を踏みつけられるファウルを受けた。あまりの激痛に背番号8は転倒しながら悶絶。大怪我につながりかねない危険なプレーにはファンも「タキになにすんだ!」と穏やかではいられなかった。
FIFAワールドカップ26アジア最終予選の第1節、中国代表との試合が埼玉スタジアム2002で行われた。ホームに詰めかけたゴール裏サポーターが一斉に怒号を浴びせる事態は18分、日本が1-0でリードする場面に起きた。
三笘薫と南野の連係で左サイドから相手陣内の突破を図っていく。左の狭いレーンで三笘→南野→三笘のパス交換で20mほど前進すると、三笘の縦パスに南野が抜け出して深い位置のスペースへと侵入した。南野は相手DFよりも先に体を前に出すと、ゴールライン際ギリギリのところでクロスを上げようと試みた。
その瞬間、後ろから遅れてきた中国の右SBヤン・ゼーシャンが南野の足を刈り取るような形でタックル。南野は浮き上がって悶絶すると、ピッチに転倒して悲痛の表情を見せた。審判も即座に笛を吹き、ファウルを犯したヤンにイエローカードを提示した。
ヤンはこの判定に不服の様子を見せたが、故意でなくとも危険なプレーになってしまったのは間違いない。南野が左足でクロスを上げようとしたところで、ヤンは右後方からボール目がけてスライディングを仕掛けたが、伸ばした左足が捉えたのは日本代表MFの左足首だった。ヤンが足裏で踏みつける形となり、スロー映像では南野の足がグニャリと曲がっている様子が見て取れた。
これには試合を見守ったファンも「大丈夫か」「タキになにすんだ!」「まじで危ないやつやて」「足裏カンフータックルやめてくれ」「モナ王やぞ」と怒りをあらわに。一方で、南野はすぐさま自らの足で起き上がれたことで、ファンは「無事で良かった」と安堵した。
その後も健在をアピールした南野は圧巻だった。2-0で迎えた後半、52分には左サイドの三笘のパスに抜け出してボックス内に侵入すると、相手をファーストタッチで股抜きし、GKの動きを見極めながら右サイドネットへ突き刺すチーム3点目。58分には、上田綺世が落としたボールをゴール正面で受けると、細かいタッチのドリブルでボックス内に侵入して右足を一閃。迫り来る5人の相手DFを物ともしない鮮やかな4点目を挙げた。わずか6分で2つのゴラッソを決めると共に、チームの勝利を決定づけるような追加点をもたらし“モナ王”の貫禄を示した。
試合はさらに3点を追加した日本が7-0で中国に圧勝。南野のA代表における成績は59試合・21得点となった。日本は11日に第2節、アウェイでのバーレーン戦に臨む。
(ABEMA de DAZN/サッカー日本代表)