【写真・画像】 1枚目
【映像】こんなに少ない!日本の「熱意のある社員」世界との比較グラフ
この記事の写真をみる(4枚)

 先月、日本を代表する企業の一つであり「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長が、日本テレビの報道番組でした発言が賛否を呼んでいる。「少数精鋭で仕事するということを覚えないと日本人は滅びるんじゃないですか」。人口減少で人手不足が進む中、少数の若者で大勢の高齢者を支えるためには、労働生産性を上げ、海外からの移民や知的労働者を増やすべきという訴えだ。ある調査では、世界の「熱意のある社員の割合」で日本は5.9%と、157の国と地域で最下位クラスの低レベルに。名目GDP(国内総生産)では、アメリカ・中国・ドイツに続く4位である日本だが、このまま“オワコン”として衰退の一途を辿るのか。『ABEMA Prime』に出演した、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は「厳しい現実に目をそらし続けた結果。きちんと事実を伝えるべき」と投げかけた。

【映像】こんなに少ない!日本の「熱意のある社員」世界との比較グラフ

【写真・画像】 2枚目
拡大する

■このままでは日本は終わる?大企業経営者たちが指摘

 柳井氏が報道番組で主張した内容の要点の1つは、日本が日本人だけではやっていけないという点。知的労働者・管理職・研究開発者といった移民をもっと増やさなくてはいけないとした。もう1つは労働生産性を上げること。このまま人口が減れば、公共・民間サービスで受けられるものが受けられなくなる可能性を説いた。これに対してZOZOの創設者・前澤友作がXで「僕は逆のように感じます。日本人らしさが今後の国力の鍵」と反論。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、雑誌のインタビューで「日本に元気がないのは事実。『働き方改革』の副作用として、今の日本人は『働かない国民』になっている」と、柳井氏に同調した。

 政治学者の岩田温氏は「私は基本的に非常に悲観的で、このまま日本がなくなるのではと強く思う。国の活力の基本は人口。だから人口が少なくなること自体が危機だが、そこの対策が日本は後手に回って、できていない。また、私が学生にいろいろ教えていて思うのは、自分で何かを切り開いていこうという強い意志を持った若い人がすごく少ない。僕たちの年金はあるのかとか、お前はあと何十年後の話をしているのだというような状態だ。18歳で(大学に)入ってきて、年金の話題をいきなり始める。自分で頑張るという発想はないのか。そういうのを見ていると寂しくなる」と、人口だけでなく意欲も減少しているとした。

【写真・画像】 3枚目
拡大する

■日本は自らチャンスを逃してきたのか

 少子高齢化が進む中でも、若者に期待するところは大きい。経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏は「若い人たちにもっと権限を与える状況に持っていかないと、やる気がなくなる。『日本経済自殺説』というのがあるが、この30年間で海外の人たちから見ると、チャンスがあるのに自分でやらない道ばかり選んできた。有利なポジションにいたはずなのに、それを選ばず止めてきた。裏を返せば日本にはまだポテンシャルがある」と述べた。

 これにひろゆき氏は、「高齢者が働くと、そのレベルに会社のシステムが合わせなくてはいけない。アメリカやヨーロッパでは、ほぼFAXは使っていないのに日本ではいまだに現役だ。それは高齢者がITを使えないから。もうITを使えない人は労働市場から退場するくらいしないと、労働生産性が上がらない」とし、さらには「Uberが流行ってタクシー業界が困るという話も、日本の場合は政治家に金を払ってタクシー業界を残そうとする動きに対して国民は文句を言わない。ITも日本が伸びる可能性があったし、インターネット初期なら日本は牛耳れる可能性あったが、Winnyを作った金子さんを逮捕した。その間にアメリカでボロ儲けした人がFacebookを作って、金を突っ込んでさらにボロ儲けした。ドローンも今、中国とかのメーカーが流行っているが、もともとヘリコプターのラジコンも日本がシェアを持っていた」と、好機を逸してきた流れを振り返った。

【写真・画像】 4枚目
拡大する

■ひろゆき氏「日本の商品に魅力がなくなっている」

 このまま海外の企業に押され、国内企業が成長せず、衰退し続けると、大きな問題となるのが社会保障だ。ひろゆき氏は「今の社会保障を維持したまま、何とか楽しく暮らそうとしてそれができるという幻想を植え付けて、どんどん悪化をしていくのが良くない。日本人の心を持っていれば大丈夫と言って、その厳しい現実から目を逸らすことをやり続けた結果、ずっと下がり続けている。社会保障は維持できませんと、きちんと事実を伝えるべきだ」と訴えた。また、日本製の商品に関することとして「1980年代ぐらいは、世界中で輸出入される額のだいたい2割ぐらい日本だった。今は4%や5%ぐらい。それぐらい世界の中で、日本の商品の魅力がなくなっている。それぐらい物が売れなくなれば、金も入ってこなくなる」と加えた。

 これにはコンサル会社キュレーションズ取締役のピンキー氏は、部品製造で戦えている部分もあると指摘した。「最終製品のパワーは日本はなくなっているが、最終製品を作るための部品製造では、まだ日本のシェアがかなり高い部分にあり、まだまだ日本が強みを発揮している。利益を一番出すのは最終製品をアメリカの企業とかやってしまっているから、日本は利益が出せなくなっている構図は確かだが、ソニーがCMOSセンサーでかなり稼いでいるようなこともある」。
(『ABEMA Prime』より)

働き方改革の是非 残業規制は“稼ぎたい自由を奪う愚策”?

■Pick Up

【Z世代に聞いた】ティーンの日用品お買い物事情「家族で使うものは私が選ぶ」が半数以上 

この記事の写真をみる(4枚)