将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の2回戦第4局が9月21日、北海道札幌市の「札幌コンベンションセンター」で行われ、藤井聡太JT杯覇者(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が佐々木大地七段(29)に129手で勝利した。準決勝進出を決めた藤井JT杯覇者は、11月2日に行われる東海大会で広瀬章人九段(37)と対戦する。
3連覇を目指す藤井JT杯覇者が、冷静な指し回しで勝利を飾った。角換わりの出だしとなった本局は、互いに猛スピードで指し進めて瞬く間に中盤戦に突入。ねじり合いの激戦へと展開した。後手の佐々木七段は攻め駒の角を軸に桂馬とのコンビネーションで先手への攻撃を繰り出したが、藤井JT杯覇者の対応は冷静。形勢不明の白熱の終盤戦では、藤井JT杯覇者が縦横無尽に盤上を制圧。際どい戦いを制し、圧巻の勝利を飾った。
勝利した藤井JT杯覇者は、「最初はこちらが攻めて行って飛車を取る展開になったが、その後の佐々木七段の角が急所の一手で、その手を境に自信のない局面が続いたのかなという気がした。終盤は苦しいところもあったが、粘り強く指すことができた」とコメント。一方、敗れた佐々木七段は「角換わり後手になったらこの戦型をやってみようと思っていた。序盤はこちらから注文を付けて相手動いてもらう将棋でしたが、ビシビシ指されてしまい、これもカバーされているのかと思い封じ手あたりはガッカリしていた。中終盤はチャンスもありそうな局面だったので、もう少し指し様があったのかなというのは課題」と振り返っていた。
この結果、4強最後の一枠は藤井JT杯覇者に決定。次戦は11月2日に愛知県常滑市の「Aichi Sky Expo」で行われる準決勝東海大会で、広瀬九段と対戦する。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)