「自分らしさを取り戻していく姿を見守っていただけたら」上田麗奈が演じる雪の魅力とは？【君は冥土様。インタビュー】

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　小学館「サンデーうぇぶり」にて連載中の『君は冥土様。』（著・しょたん）が、TVアニメとなって2024年10月5日より放送開始。元暗殺者の雪／シュエが、高校生の横谷人好の暮らす家にメイドとして雇ってほしいと押しかけたところから、共同生活がスタートしていくというストーリーだ。

【放送】『君は冥土様。』第1話

　暗殺の能力と身体能力には長けているものの、家事全般が苦手でドジっ子な一面がある雪を演じるのは人気声優の上田麗奈。本記事では雪を演じる上でどのような意識だったのか、上田が感じた雪の魅力について伺ったエピソードをお届けする。

――（取材用に先行で試写した）第1話では、雪が何か失敗するたびにツッコミを入れる人好との掛け合いが印象的でした。雪自身は狙ってボケているわけではないので、演じる上では掛け合いをしていくというよりもどうツッコんでもらうのかというような意識があったのでしょうか？

上田：そうですね。最初のテスト収録が終わったタイミングだったと思うのですが、監督から「雪さんは序盤では淡々としゃべるロボット感を出しつつ、人好のテンションをもっと上げて2人の間でメリハリをつけたい。全体を通じてその差から生まれる面白さを活かすようなお芝居をしてほしい」と言われていました。

　そのことを意識しつつ、第1話では特にボケているという意識やツッコんでほしいという気持ちもなく、真面目にやっている結果、ボケになっているというバランスになったのかなと思いますね。

――ロボット感のあるお芝居がありつつも、雪は非常に表情が豊かですよね。第1話でも勝田ソースを舐めているシーンが印象的で、幸せそうな感情も伝わってきました。

上田：あのシーンは私もどこまでギアを上げていいのかヒヤヒヤしながらも、テストではトップギアでお芝居をしてみました。結果的にそのままのお芝居でOKですと言っていただいたのですが、（雪は）自分の好きなものや得意なこと、苦手なことや嫌いなことも含めて心のままに裏表なく感情が出ちゃう子なんだなって。勝田ソースもそうですが、暗殺も自分が唯一できるPRポイントなので（笑）。

――たしかに自信満々にナイフを投げていたシーンもありましたね（笑）。

上田：雪さんは人の役に立つということが一番大事な欲求として、それがベースになって成り立っているので、得意なことを語る時というシーンはすごく大事にしています。そういったシーンでのお芝居では、普段の素直さよりもさらに感情を盛り上げてギアを上げて演じることを意識していましたね。

――雪自身の感情表現の中にもメリハリがあるということですね。

上田：そうですね。シーンがどんどん変わっていくので切り替えは難しかったですけれど、すごく楽しかったです。

――改めて本作で演じられている雪というキャラクターの魅力を言葉にすると、どんなポイントがあるでしょうか？

上田：とっても向上心がある子なので、わからなくて自信がないなりにもどうやったら役に立てるのかと質問ができる子ですし、不安な気持ちになっていることもちゃんと伝えられる子なんです。前向きな雪さんだからこそ、見ているこちら側も応援したいと思えるような。

　孤独感を抱えている中で人好くんと出会って、2人が一緒にいて関わり合っていくことでお互いが救われていって、どんどん雪さんが自分らしさを取り戻していく姿を見守っていただけたらと思います。

――最初はロボット感のある淡々とした喋りをしていた雪が、自分らしさを取り戻して感情表現も豊かになっていくというのが、作品の見どころになると感じました。上田さんご自身は、雪の自分らしさと言える根本的な部分はどんなところだと思われますか？

上田：感情をそのまま吐き出せるようになることもそうですし、人の役に立ちたいという気持ちもすごく持っている子なのですが、暗殺ができるから良いとか家事ができるから良いということではなくて、ありのままの自分でいてもいい、この場に存在していても大丈夫なんだという安心感を得るということでしょうか。

　安心を得られることで、相手にも感謝ができてもっと何かをしていきたいと寄り添っていけるような。それが当たり前のこととしてできることは、やっぱりすごく大事なことだと思っています。

――ただ勝田ソースを舐めていてもいいんだ！　という（笑）。

上田：そうですね（笑）。いくらでも舐めていいんだからねって（笑）。