跳満をアガった選手とは思えないほどの表情だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」9月26日の第2試合。KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)が大長考の末に跳満を成就。試合後の精魂尽き果てた表情に、ファンからも多くの反響が寄せられた。
場面は南4局1本場、伊達は2万1700点持ちの2着目で、3万8800点持ちの赤坂ドリブンズ・渡辺太(最高位戦)を追うという状況だ。跳満を直撃かツモでトップになれる。伊達はドラと赤を抱えた平和手。11巡目、イーシャンテンからの選択が難しい。切りたいソウズは、混一色仕掛けですでにテンパイ濃厚の茅森に超危険。伊達は「ああ、すみません…」と同卓者へ頭を下げながら、必死に卓上へ視線をやる。自らを叱咤するように、頷きを繰り返し、たっぷり90秒の真剣長考。結論を下すと、打2索で勝負に出た。茅森は北と8索のシャンポン待ちだ。
この2索切りが大正解。次巡にカン5索を引き入れると二・五・八万待ちでリーチだ。リーチ・平和・赤・ドラが確定、欲しいのはツモ、そして一発か裏ドラだ。伊達の一発目のツモに注目が集まるが、その直前に茅森の手に八万が訪れた。茅森にとっては使いようがない牌。これが一発で打たれて伊達がロン。リーチ・一発・平和・赤・ドラ・裏ドラの1万2000点(+300点)のアガリ。この跳満で、浮きの2着を手に入れた。
伊達はこの試合、一時1万点を割り一人蚊帳の外。それでも終盤に追い上げ、この跳満で2着は僥倖だ。「伊達様すごい!」「やったぜ!!!」「伊達ちゃんナイス!!」「さすがMに愛されてる人」「これは伊達朱里紗が凄すぎた!!」と次々に歓声が上がる中で、伊達は試合後もこめかみに手をやりながら苦悶の表情。その様子が激戦を物語っていた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)