諦めない心が生み出した、価値ある一撃。渋谷ABEMASの松本吉弘(協会)が、プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」10月1日の第2試合に登板し、オーラスでラス目から2着まで跳ね上がる高打点のアガリを放ち、ファンを大興奮させた。
この日、松本は第1試合にも登板した。結果は、自身の今期初登板と同じく4着。監督やチームメイトに後押しされての連投だった。当試合は起家からセガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、松本、EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)、U-NEXT Pirates・仲林圭(協会)の並びで開始。松本は東3局1本場でリーチ・タンヤオの2600点(+300点、供託1000点)、南1局1本場でリーチ・平和・赤の3900点(+300点)をアガったものの、南4局1本場を迎えた時点では持ち点1万100点のラス目だった。
トップ目の茅森とは4万1600点差で、直前に親満貫・1万2000点(供託1000点)を獲得した2着目の仲林とは1万3400点差だ。「4(着)・4(着)で終わるわけには、本当にいかない」「それは数字以上に、チームを失速させる一撃になる」。ここで松本は苦悩する。「最後は茅森さんが差してくれそうになっていましたけど、当たるかどうか、本当に悩んでいました」「この見逃しは、むしろチームを危険にさらすんじゃないか」。
中盤に5・8筒待ちでリーチをかけたものの、仮に茅森が差し込みをした場合は受けるか否か。リーチの時点で役はリーチ・平和・タンヤオ。ラス目からの2着浮上には「ツモっても赤5筒・裏ドラか、ツモ・裏ドラ2しかない」状況だった。
「難しいですね」「あれが5・8筒だったら、当たっていました」。リーチの次巡、茅森が捨てた牌は9索だったが、松本はすぐさま5筒を手繰り寄せて「ツモ」。裏ドラ表示牌をめくると、何と対子の七万が2枚乗っており、リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・裏ドラ2の跳満・1万2000点(+300点)を完成させた。これで2着までアップし、素点・順位点と合わせて5万点超の一撃。ポイントは+2.4だが、誰よりもチームを愛する男は「負けちゃったんですけどね」とはにかみつつ、「この2.4ポイントはめちゃくちゃ大きい」「大事にしたいと思います」と気持ちを引き締めた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)