■「治療できる病気」 一方で症状に個人差「重症だと回復しにくくなる」

 初期段階では、まず神経の通りを電気で調べる「神経伝導検査」を行うという。三澤氏は、「抗体検査は結果が出るのに時間がかかる。急性期は抗体の結果を見ずに、免疫グロブリン療法や、透析のような血漿浄化療法などの治療に入る」と説明。

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 小堀さんは免疫グロブリン療法を2度受けたという。「2週間経って指が動き出してから、少しずつ体が動くようになった。ICUでは幻覚や幻聴もあったが、意識がはっきりすると、『治るのか』と不安で寝られなかった」。

 細菌・ウイルス感染自体は防ぐことが困難なため、ギラン・バレーの発症リスクを減らすことはできるものの、具体的な予防方法はない。その上で、三澤氏は重症化を防ぐ必要性を語る。「重症になると、神経に傷が残り回復しにくくなるので、ピーク時に重症化させないよう治療を行う。ただ後遺症が残る人もいるため、新たな治療の開発が求められている。神経をいかに傷つけないかが重要だ」。

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 回復の過程について、小堀さんは「体の中心近くから、少しずつ動くようになった」と説明する。「1カ月ほどでボールを投げられるようになり、2カ月でようやく歩行器を使って数メートル歩けた。今でも走ったりジャンプしたりできず、正座もしにくい」。

 これに三澤氏は「回復は期待できる」と応じる。「運動神経の再生が不十分で、足先など筋力が出ない部分がある。リハビリで神経再生は促進できず、使い方を学ぶ必要がある」。一方で、「再発率は5〜10%と言われる。再発と重症度が相関するかはわかっていない。症例数が少ないことが、薬の開発に時間のかかる一因となっている」とも述べた。

■小堀さん「今は走りたい」「ちょっとでもおかしいと思ったら病院へ」

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 小堀さんは「できる範囲内の仕事しかできない」のが現状だ。「当たり前の日常が幸せだと感じられるようになった。医師や看護師、リハビリ職員の方がいたからここまで回復できたので感謝の気持ちでいっぱい」。目標については、「今は走りたい。野球もしたい」と意気込む。

 また、自らの経験を踏まえて、「ちょっとでもおかしいと思ったら、すぐ病院へ行って欲しい」と促す。三澤氏もまた、「治療に使う免疫グロブリンは献血から作っているが、献血者が減ってしまい、治療ができない病院が出てきている。ぜひ献血に行って欲しい」と呼びかけた。(『ABEMA Prime』より)

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