「毎日知らない人の家に泊まって生活していて、これまで500軒以上の家、1000泊以上泊まっている」と語るのは、シュラフ石田さん(33)。リュック一つで全国をさすらい、見ず知らずの人の家に泊まる生活を5年間続けている。その様子はYouTubeでも配信し、生き方が一部で注目を集めている。
石田さんは、食事をごちそうになることも多く、月の出費は3〜5万円で収まるそうだ。出会った人たちの人生をのぞき見できるのが、旅の醍醐味だと語る。『ABEMA Prime』では、「毎日知らない本を読んでいる感覚」という石田さんに話を聞いた。
■引っ込み思案の青年が旅をきっかけに“お泊り男”に
石田さんが旅好きになったのは、10代のころ。佐賀大学時代に懸念だった引っ込み思案が改善し、台湾旅行で一般の人の家に泊めてもらう経験もした。社会人時代はコンビニ店長をしていたが、旅がしたいと仕事を辞め、28歳から活動を開始した。
中学生時代に大泉洋らが出る「水曜どうでしょう」を見て、旅に興味を持った。「大学生までは引っ込み思案だったが、旅先だと自分を飾る必要がなく、のびのびと過ごせた」。台湾での一人旅では「ホームステイしたいと思い、『泊めて』と書いた紙を持って立っていたら、声をかけてくれた。家庭料理を食べたり、ローカルスポットに連れていってもらえたりした」。これが最初の経験となった。
その後、社会に出るも、旅への興味は日に日に募り、仕事を辞める決断をした。「世界一周しようとしたが、最初は自分の国を攻めようと、この生活が始まった」。旅先は「夏は北、冬は南と決めていて、振り子のように動く」という。
とは言っても、旅先選びにはコツもあるようだ。「あまり人がいないところだと泊まれない。北海道だと札幌・旭川・函館は勝率が高い」。同じ家に連泊することもあれば、時間を空けて再び泊まることもある。「1年ぶりに会う友達が増えている。東京だと、あいさつ回りだけでも、1カ月かかってしまう」。
■じっと声がかかるのを待つのみ「釣りみたい」
日々の宿泊地探しは、「釣りみたいな感じ」と表現する。同じ家に2、3日泊まることもあるが、「それ以上は『他の家に行きたい』とウズウズしてくる」。今後については、「おじさんになったら泊まりづらくなるが、こうしてメディア露出することで『知っているから泊める』という層が出てくるはずだ」と予想している。
この生活は「死ぬまでやるつもりだ」と意気込む。知らない人と暮らし続けることにはストレスがかかりそうだが、「日中は1人のことが多い。よくあるのは、家主が仕事に行っても『居ていいよ』と言われ、そのまま夕方までダラダラすること。スマホで動画の編集もする」。
災害が予想される時には、「セーフティーネットの家」へ行く。旅するルールとして、「家主に気を遣わない」「二択で迷ったら楽しい方を選ぶ」「無理しない」の3つを挙げる。
■女性とうれしい夜のハプニングもあれば命の危険も
これまで500軒超に泊まった中には、AV女優の家、電気が止まったおじさん家、天理教の教会、アムウェイの家、新宿のタワマン(家賃55万円)、技能実習生の家、占い師の家などがあったという。
うつで休職していた人の家では、「あした思い切って坊主頭にして、バンジージャンプに行こうと思う。君もどう?」と誘われて、翌日一緒に飛んだ経験もある。「すごく面白い人」と「タイプの女性」ならば、迷いつつも面白い人を選ぶ。「楽しいのが一番だ」。
しかし、時には怖い思いをすることもある。「女性の部屋へ行ったら、『盗聴されている』『ネットもストーカーされている』と騒ぎ始めた。女性はずっとハサミを持っていた。襲われかけたが回避して、その場を飛び出した」。反対に、20〜30代を中心とした女性と良い関係になるケースもあるそうだ。
(『ABEMA Prime』より)
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