ベジータよ、それはもう愛だろ!常に孫悟空(CV:野沢雅子)の背中を追いかけ、終生のライバルとして悟空を倒すことだけを考えてきたベジータ(CV:堀川りょう)が、とうとう魔人ブウ(CV:塩屋浩三)を目の前にしても悟空と重ね合わせてしまったシーンが「ドラゴンボール改」にある。しかも“悟空のこと大好きじゃねーか”と戸惑ってしまうような演出つきだ。
【映像】ベジータの悟空への深い想いが語られる瞬間(7分3秒ごろ~)
ベジータといえば、自信家な性格からかちょっとパワーアップするといつも自分勝手な判断で戦況を悪化させてしまう困ったヤツだ。しかしこれもすべて、悟空に勝ちたいがゆえ、もっと言えば愛ゆえ行動だったとしたら、ちょっとは理解してあげてもいいのかもしれない。
魔人ブウ復活を阻止すべく魔導士バビディ(CV:島田敏)一同のもとへ向かった悟空たちだったが、ベジータがバビディに魂を売り渡し、軍門に下る代わりに秘めた力を限界以上に引き出してもらうという行動に出る。それもこれも、すべてはたった24時間しか下界にいられない悟空と戦うためだった。
念願叶って戦うことになった悟空とベジータだったが、ベジータが悟空に与えたダメージが原因で魔人ブウが復活してしまった。魔人ブウの強さは悟空たちの想像以上で、悟飯(CV:野沢雅子)は一瞬にして吹き飛ばされ生死不明の状態。界王神(CV:三ツ矢雄二)も虫の息となってしまった。
魔人ブウの復活に悟空が気を取られてしまったことを理由にベジータは一時休戦を受け入れるが、仙豆を取り出そうとした隙をついて悟空を気絶させてしまった。バビディに支配されてまで悟空と戦いたかった一方で、魔人ブウを復活させてしまったことにベジータは責任を感じてしまったのかもしれない。ベジータは魔人ブウのもとへひとり向かい対峙する。
すると突然、ベジータ目線で謎のキラキラ演出が発生……ベジータの中で、魔人ブウの姿に悟空が重なったのだ。ベジータは“カカロット…つくづく貴様というヤツは気に食わない野郎だ”と心の中で毒づくと、魔人ブウに向かっていった。
ベジータとしては、これまでいつも先を行かれていたことや、助けられてきたことが悔しかったというのもあるだろう。“今度ばかりは俺がカタをつける。貴様はゆっくり寝ていろ。目覚めたときすべては終わっているだろう。オレはいないかもしれんがな”と決死の覚悟を見せたのだった。命を落とすかもしれない強敵を前にしてもなお悟空への想いがあふれるなんて、もはや“愛なのでは?”と思わずにはいられないワンシーンだ。
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日より放送される。
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