今季、フォードMスポーツチームからWRC(世界ラリー選手権)に参戦する期待の若手ドライバーが豪快なクラッシュを演じるも奇跡的にコース復帰。大器の片鱗を見せつけている。
ラトビア出身のセスクスは、現在、ERC(ヨーロッパ・ラリー選手権)で3勝を挙げている期待の若手ドライバー。しかしながら、路面コンディションが厳しいといわれるチリのステージを走るのは初体験であった。日本時間9月27日に行われたデイ1のSS3は、名手セバスチャン・オジエがコースアウトする難コース。25歳のセスクスが操るフォード・プーマ・ラリー1も、路面の砂利に足を取られてマシン後部が豪快にスライド、そのままコースアウトするかと思いきや、コース脇の土手にマシンをぶつけてコースに復帰した。
とはいえ、クラッシュした衝撃はすさまじく、ぶつかった瞬間のリプレイ映像では一時的に3輪走行になるほど。このアクシデントで左側二輪がパンクし、その先のコース脇に停車してタイヤ交換をしたものの、予備タイヤが足りずデイリタイアとなってしまった。
WRC公式Xでは、このセスクスのアクシデントシーンと走行後のインタビューを投稿しているが、本人はどこか微笑んでいるようにも見える強気の表情で、「ダブルパンクだ。しかし2本目のスペアタイヤがなかった。大問題だ」と平然と振り返っている。大物の風格である。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)