今年はシンプルに攻めることがテーマ。“ヒーロー”は若い時分のスタイルを取り戻すべく積極的に攻め、そして最後に劇的勝利を掴み取った。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」10月4日の第1試合はKONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)がオーラスに親満貫・親跳満と大物手を連発し、逆転トップを獲得した。
この試合は東家からEX風林火山・勝又健志(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)、U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、滝沢の並びで開始。東4局、3着目の滝沢はダブ東対子の4対子から二万ポン。ダブ東の後付けや対々和といった役を狙った積極的な動きだ。その後に1筒、7筒と続けてポン。結果は勝又への放銃となってしまったが、これまでには見られなかったストレートな攻めでファンを賑わせた。
中盤、勝又が抜け出し、それに鈴木優が競りかける展開の中で、滝沢は3着目のまま粘る。南4局、4万点台の勝又・鈴木優にトップ争いが絞られたかと思いきや、滝沢がそれに割って入る。カン六万待ちで先制リーチをかけ、リーチ・ツモ・タンヤオ・一盃口の1万2000点をツモると、ファンを最も沸かせたのが次局だ。鈴木優が先に仕掛け、アガればトップのタンヤオをテンパイしたが、滝沢がそれを抑え込むべくリーチ。カン四万待ちと窮屈な格好で、山には1枚しか残っていない。対する鈴木優の待ちは3枚ある。圧倒的に不利な状況で滝沢は、ラス牌の四万をそっとツモ。リーチ・ツモ・發・一盃口で連続親満貫と思いきや、發が裏ドラになり1万8000点(+300点)の特大弾が炸裂だ。
これで鈴木優・勝又に大きくリードを付けると、同2本場はたろうのアガリを見送ってゲームセット。劇的な逆転で今期初トップを手中に収めた。試合後は「自分でも『まさか』です。裏3は今まで1回しかなかった。2回目がついに出ました!『久しぶり、俺にもできた!』そういう感じです」と端正なマスクをほころばせ、喜びを語った。
シンプルに攻めるというテーマについては「頭の中がかなりスッキリした。今まではいわゆる“うまぶった”ような打牌が多かったのですが、麻雀はこうやるのが普通だよ、というか。ちょっと(スタイルを)戻したような感じです。いい感じになってきたかな、その練習をしてきたので」と説明し、この日の内容にも満足げ。
チームは目下2位、自身もこれで初トップと順調だが「(成績は)そこまで気にしていない」と自然体。最後は「3戦目でトップを取ることができました、各地でいろんな激励を受けて元気をもらっています!」とファンへ感謝を述べた。不利な場面から大逆転、チームに“ヒーロー”がさらなる勢いを付けた。
【第1試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘俱楽部・滝沢和典(連盟)4万6400点/+66.4
2着 U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)3万3100点/+13.1
3着 EX風林火山・勝又健志(連盟)2万400点/▲19.6
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)100点/▲59.9
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)