一度飛び立つことができれば、その後はバランスを保つだけ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」10月7日の第1試合は渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)がトップ。耐えて待ったチャンスを活かし、華麗に舞った。開幕から続いていた逆連対を3戦目で断ち切り、さあリベンジ開始だ。
チームは試合開始前の時点で9位(▲159.3)と低迷。上位浮上のきっかけを掴みたい開幕11試合目のこのカード。試合は東家からEX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)、BEAST X・中田花奈(連盟)、白鳥の並びで開始した。序盤は岡田が飛ばしトップ目。東2局1本場、白鳥は123の三色同順含みの1・4・7索待ちリーチをかけてツモ。安目だが裏ドラが乗りリーチ・ツモ・ドラ・裏ドラの8000点(+300点)で岡田に迫る。
飛翔のチャンスは南3局に訪れた。ドラ4索を暗刻にして、5索と6・9索の変則三面張でリーチだ。前巡にシャンポン待ちのテンパイを取らず、理想的な多面張で勝負。5索を大事そうにツモり、リーチ・ツモ・ドラ3、そして1枚あればいい裏ドラが2枚乗り、1万2000点の加点で岡田を逆転だ。
伏せればトップのオーラス、ライバルの岡田は満貫ツモ条件。白鳥は二・五万待ちの平和・ドラをテンパイすると、慎重にダマテンを選択した。中田から出るも見逃し。このまま流局かと思われたが、自ら二万を引いて3900点のダメ押し。同1本場はノーテンで流局して初トップが決まった。
試合後はやや疲れた表情を見せたものの、待望の1勝に唇は滑らか。「めちゃくちゃうれしいですね。安心しましたね!」と切り出すと「6年間やって来て、沈む時はめちゃくちゃ沈むことがわかっていたので、序盤に(不調が)来て良かったかなと。ただこのままズルズル行くのも良くないので、どこかで一発戻ってきたいなとは思っていました」。
敗戦の振り返りも忘れていなかった。「前の2半荘は攻め過ぎだなと思っていたので、ちょっと落ち着こうと思っていた。東1局から麻雀AIに聞いたら悪手だらけ(になりそうな)、始めからほぼオリ気味。放銃だけはしないようにと思って打って。チャンスを待とうと思ったら(東2局1本場で)1・4・7索がツモれて。良かったですね」とバランスの調整に苦心していたことを打ち明けた。
シーズン前に掲げた目標はMVP。「初戦は自分の中で納得もありましたが、2戦目の4着がひどすぎて…。ここまでいっぱい練習を積んで臨んでいるつもりです。今回トップが取れて良かったので、2戦目の選手に託したいと思います」とファンへ思いを伝え、最後は控えめに決めポーズを作った。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)4万3900点/+63.9
2着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)3万1200点/+11.2
3着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)2万1400点/▲18.6
4着 BEAST X・中田花奈(連盟)3500点/▲56.5
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)