「どうする?お前の相手は世界一強いアメ玉だぞ」これだけ聞いてもなんのことかさっぱりわからないセリフが飛び出すのも「ドラゴンボール」の魅力だ。魔人ブウ(CV:塩屋浩三)に圧倒的な力の差を見せつけていたベジット(CV:野沢雅子・堀川りょう)は、一瞬の油断からブウにコーヒーキャンディに姿を変えられてしまったのだが……。
【映像】世界最強の飴玉になったベジット(13分55秒ごろ~)
孫悟空とベジータが合体したベジットと、ブウとの力の差は歴然だった。もはや遊ばれているようにも感じる戦いにブウのイライラは増すばかりで、界王神界で戦いの行方を見守っていた老界王神(CV:田中亮一)も「さっさととどめをさしてしまえ!まだブウを怒らせて楽しむつもりか!」と苛立ちを見せていた。
それでもベジットは相変わらず「ムダなんだよムダ!俺に勝とうなんてさ。貴様なんかがどう頑張ったって、しょせん俺には勝てっこない!」とブウを挑発し続ける。怒りに震えるブウだったが、ここで「ん?」と何かを思いついた様子。
するとブウはニヤリと笑い、「どうした?俺が怖いのか?」と逆に挑発を始めた。「さあかかってこい」とベジットを自分に近づかせると、ブウはベジットがほどよい距離まで近寄ったところで、「おい貴様、コーヒーキャンディは好きか?」とキャンディに変えるビームを発射。ベジットは避ける間もなく茶色い飴玉にされてしまった。
まさかの展開にキビト界王神(CV:三ツ矢雄二)は「そ……そんな」と絶句し、老界王神も「バカタレが!だからさっさととどめをさせと言ったんじゃ!このウンコタレ!」と全宇宙を統括する神とは思えないセリフを叫ぶしかなかった。
ブウは大喜びしながら飴玉になったベジットをどう食べるか思案し始めた。しかしここで、ベジットがまさかの反撃に出る。飴玉の姿のままブウに物理攻撃を始めたのだ。しかも「悪い悪い、残念だったなブウ」と会話することまでできるようで、空中を自在に動きながら「どうやらこうなっても強さは変わってないようだ」とまさかの宣言。これにはブウも「そんなバカな……」と驚きを隠せなかった。
“世界一強い飴玉”はその姿のままブウの腹や顔を攻撃。一方、ブウの攻撃は的が小さすぎてまったく当たらない。一粒のコーヒーキャンディにもてあそばれて無様な姿をさらしたブウは、さすがにこの飴玉姿は厄介だと思ったようで、「も……もとに戻れ!」と元の姿に戻したのだった。
ベジットをどんなお菓子にしていたらブウは食べることができただろうか。いずれにせよ、姿形が変わっても強さは変わらないのだとしたら、ブウに勝ち目はなかったのかもしれない。
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月11日よりスタートしている。
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