将棋日本シリーズJTプロ公式戦の準決勝第1局が10月12日、大阪市の「Asueアリーナ大阪」で行われ、渡辺明九段(40)が稲葉陽八段(36)に139手で勝利した。この結果、渡辺九段の決勝進出が決定。11月24日に東京都江東区の「東京ビッグサイト」で予定されている決勝戦では、藤井聡太JT杯覇者(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)対 広瀬章人九段(37)戦の勝者と優勝を争う。
 過去3度の優勝経験を持つ渡辺九段が、5年ぶりに決勝進出を決めた。注目の準決勝では、角交換の後、後手の稲葉八段がやや変則的な手順で三間飛車とすると、渡辺九段は銀冠に組んで対応した。繊細なかけ引きがぶつかり合うじりじりとした戦いから、渡辺九段が攻勢に出て主導権を握ったかと思われたが、受けに回った稲葉八段も簡単には倒れない。形勢不明のままもつれ込んだ終盤戦では、大激戦が繰り広げられた。