【UEFAネーションズリーグ】イタリア代表 2-2 ベルギー代表(日本時間10月11日/スタディオ・オリンピコ)
奇跡的と言いたくなるほど、美しいパスだった。イタリア代表のDFフェデリコ・ディマルコがベルギー代表戦で、浮き球を左サイドからダイレクトで逆サイドへ展開して追加点を演出。試合を通してハイパフォーマンスを示したディマルコには、国内外で「攻守において完璧だ」と称賛の声が溢れた。
大きな話題となったのは24分、イタリアが左サイドから攻撃を展開した場面のことだ。MFサンドロ・トナーリが縦パスを入れると、ハーフラインまで降りてきたFWマテオ・レテギが相手と競り合いながらダイレクトで自陣へ落とす。これは膝下の高さに浮き上がるボールとなったが、ディマルコは完璧なダイレクトキックで右サイドへと展開したのだ。
ベルギーの守備陣が慌てて背走する間をすり抜ける低弾道のパスは約40メートルを一気に転がり、MFアンドレア・カンビアーゾへと渡る。24歳のWBはそのままドリブルで持ち込み、カットインして左足を一閃。強烈なシュートを相手GKが弾いたところにレテギが詰め、イタリアが2-0とリードを広げる追加点を奪ってみせた。
このゴールの起点となったのは、間違いなくディマルコの左足だった。彼はこの試合で開始早々の1分にも、ボックス左外から相手DFの股下を通す精密なラストパスを送り、カンビアーゾの電光石火の先制点をお膳立てしていた。
このシーンには日本のファンもSNSで「ディマルコやばすぎ」「ダイレクトサイドチェンジかっけー!」「背筋ゾクっとしたわ…」「タイミングもそうだけど回転がやべぇ…」「なんだこのパス」「ダイレクトサイドチェンジすご」など、美しすぎるプレーを手放しで賞賛する声で溢れた。
攻撃のみならず、守備でも献身的なプレーを続けたディマルコに対しては、試合後にイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はディマルコに対して出場選手中最高の「7.5点」の評価。「彼の貢献は決定的であり、自分の役割においてかけがえのない存在であることを示すだけでなく、チームのプレーにプラスの影響を与えた」と絶賛した。
ただし、イタリア代表は40分にMFロレンツォ・ペッレグリーニが一発退場すると、直後の42分に失点。さらに61分には、アーセナルでは冨安健洋の同僚であり、ブライトン時代には三笘薫と共闘したベルギーのFWレアンドロ・トロサールがネットを揺らして同点とされる。数的不利もあり序盤のリードを守りきれず、UEFAネーションズリーグ3連勝を逃した。
(ABEMA de DAZN/UEFAネーションズリーグ)