【セリエA】コモ 1-1 パルマ(日本時間10月19日/スタディオ・ジュゼッペ・シニガーリャ)
まさに“1点もの”のビッグセーブだ。パルマのGK鈴木彩艶がコモ戦で、至近距離からのヘディングシュートを食らったが、持ち前の“超反応”でシャットアウト。失点を覚悟するほどのシーンを防いだプレーにはファンも「ザイオン、うますぎる!」と歓喜した。
パルマが1-0とリードして迎えた33分、左サイドからコモに攻め込まれた場面だ。パルマと同じく今季昇格組ながらも稀有なタレントを擁するコモが、的確な攻撃でパルマ陣に迫ってくる。元スペイン代表のDFアルベルト・モレーノが左サイドから正確なクロスを供給すると、10番を背負うイタリア代表のFWパトリック・クトローネが反応した。
パルマのDFボトンド・バログが対応するもクトローネに競り勝つことができず、ドンピシャのヘッドでシュートがゴールを襲った。しかし次の瞬間、鈴木が両手でこのシュートを弾き返し、同点に追いつかれそうな決定的な場面でチームを救うビッグセーブを見せた。
距離にしてわずか3メートルほどの至近距離から、正面へのシュートとはいえ、その反応速度はまさに神がかっていた。これにはSNS上のファンも「ザイオン、ナイス!」「ザイオン、うますぎる!」と歓喜し、現地メディアも同様に日本代表GKを高く評価。地元メディア『PARMAlive』は試合後の個人採点で「6.5」を付け、寸評で「この日も安定していた。コモの多くのクロスに注意を払い、至近距離からのヘディングシュートにも本能的な反応を見せた」と言及するなど際立つプレーだった。
この試合はその後、鈴木にとっては“ノーチャンス”の失点を許して1-1の引き分けに終わったものの、パルマ守護神への評価は、イタリア国内にとどまらず上昇する一方だ。
ドイツの移籍情報専門サイト『transfermarkt』における推定市場価格の最新版で、鈴木には約700万ユーロ(約11億3000万円)の値がついた。22歳にしてアジア人GKの中では最高価格であり、シント=トロイデンからパルマに移籍した今夏の250万ユーロ(約4億円)から飛躍的にその価値を高めている。
パルマの次戦は10月27日のエンポリ戦。日進月歩である鈴木の活躍に改めて期待したい。
(ABEMA de DAZN/セリエA)