ターマック(舗装路)の高速ステージとなる「セントラル・ヨーロッパ・ラリー」で、日常的な風景のなかを、世界最速のラリーカーが超高速で駆け抜ける映像が反響を集めている。
世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロッパ・ラリー」は、ドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国を舞台に行われる開催される珍しいラリー。日本時間10月21日に行われたSS(スペシャル・ステージ)13「ビヨンド・ボーダーズ」は、ステージ中にドイツとオーストリアの国境を越えることも特徴だ。国ごとにキャラクターやコンディションの異なる各ステージは攻略が難しく、道幅が狭いにも関わらず平均スピードが高い。また、森林地帯や農道、住宅のすぐ脇を抜けるコースがあるなど、周囲の景色がバラエティに富んでいるのも特徴だ。
SS13「ビヨンド・ボーダーズ」も典型で、序盤は住宅がまばらに見えるエリア、途中に木々に囲まれた森林エリアを抜けると、また住宅エリアを走ることになる。イメージは、日本で例えるならまるで山間の地方都市。少しだけ傾斜のある長閑な風景が広がっている。
フォードのグレゴワール・ミュンスターは、今季からWRC1カテゴリーにフル参戦した25歳の若いドライバーで、今大会は序盤にハイブリッドシステムに不調があり、デイ2を終えて8位。
この日は朝から奮起し、SS13序盤の工場の敷地のような区域では、コース両脇に物置があることを物ともせず、この区間を160km/hをオーバーの猛スピードで疾走している。この姿を見た視聴者からは、「こえーw」、「こっっわ」、「こえぇ…ちびるわ」、「はえー」など驚愕のコメントが集まった。
最終的にミュンスターはこのSS13で8位のタイムを獲得。デイ3を終えた時点で総合7位に、さらに最終日を終えて総合5位まで浮上した。ミュンスターの怖いもの知らずの走りはもちろん、「セントラル・ヨーロッパ・ラリー」と同じくターマック(舗装路)で、民家が点在するエリアを走ることになる「ラリー・ジャパン」にも期待が高まるところだ。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)