SNS上にアップされたこの写真。写っているのは、国民民主党の伊藤たかえ参議院議員と、同じく国民民主党の榛葉賀津也幹事長だ。
「早朝の羽田空港で榛葉幹事長に偶然会い、思わず泣きそうになるスッピン。今日もみんなで、がんばろう!」
伊藤議員がこの写真をSNS上に投稿すると、「自分がかわいいと思っているのか?」「女を使っている」など、誹謗中傷のコメントが寄せられた。
こういった政治家に対する嫌がらせは「ポリハラ」と呼ばれ、問題となっている。
ポリハラ、そして選挙のたびに問題となる有権者からのハラスメント「票ハラ」。こうしたハラスメントについて、女性議員のサポートを行うStand by Women代表の濱田真理さんに話を聞いた。
「今回の投稿内容のような容姿に関することを言われるのは、女性の方がルッキズムなどの影響で多い。容姿について『こうあるべき』といった圧力が強いので、いろいろと言われやすい状況がある」(濱田さん、以下同)
女性の方が多いというポリハラ・票ハラ。その原因というのが…
「特に日本のようなジェンダーギャップが大きい国では、政治=男性のものという意識が根強く残っており、女性が政治分野に参入することに対して排除したり、引きずり降ろそうとする動きが起こりやすい」
世界経済フォーラムが公表したジェンダーギャップ指数では、146カ国中118位と日本は下位グループだ。こうしたハラスメントへの対策はあるのだろうか?
「市民がちゃんと関心を持って反応すること、つまり監視をすることが非常に重要だ。外の目を入れ、中で起きていることをオープンにすることが被害を防ぐことにつながる」
被害の状況を有権者側が監視することでハラスメントが起きにくい状況を作ることができるが、外部から監視し続けるのは大変だ。だからこそ濱田さんは、内部から声を上げることが重要だと考えている。
「被害を受けている方に対して、周りの人や声を上げられる立場にいる人たちが一緒に連帯することが重要だ。例えば、女性議員が誹謗中傷を受けている時に、周りの男性議員が『それは違う』と第三者として介入することで、周りの空気も変わる」
『ABEMAヒルズ』はスタジオで国民民主党の伊藤たかえ参議院議員に話を聞いた。
「度重なるポリハラ・票ハラに心が折れないか?」という質問に伊藤氏は「ボキボキに折れますよ、人ですもん」と答えた。
さらに伊藤氏は「ハラスメントを受けたことも誹謗中傷されたこともある。だから今回、私は“可視化”するためにわざとリプライした。『これは普通じゃない、おかしいことで悪いこと』だと。社会的制裁も法的措置もとるべきだ。私たちが放置して『見なきゃいいのよ』と言い続けたことで今ひどくなっている面もある」と決意を語った。
有権者から候補者や政治家に向けられる票ハラ・ポリハラ。ところでハラスメントは党内にはないのだろうか?
伊藤氏は「党内にもハラスメントはある」と述べた。
「これまで言えなかったがハラスメントは外からも受けるし、実は党の中にだってある。党中となると、まるで自分の党のことを暴露するようで、みんな言えなかった。でも、言うんですよ。言って新しい当たり前を作っていく。議員はそういう職業だからだ。恐れず言う、そして可視化して変えていく」
(『ABEMAヒルズ』より)
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