誰もが描いた未来予想図は、非情すぎる結末だった。10月29日、プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」の第1試合では、EX風林火山の松ヶ瀬隆弥が役満・国士無双をアガれずに、天を仰ぐ一幕があった。
問題の場面は東3局3本場だ。当試合は起家からU-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、松ヶ瀬の並びでスタート。東1局、松ヶ瀬はリーチをかけるも、内川が高宮から中・混一色の3900点(供託1000点)をアガった。東2局でも、松ヶ瀬はリーチを宣言。その後、高宮もツモリ四暗刻でリーチをかけ、結果は流局だった。
そんな中で迎えた件の局、松ヶ瀬の配牌は一万・九万・1筒・1筒・1索・9索・西・白・發・中と、ヤオチュウ牌が9種10牌。1巡目でも東を引いた。2巡目には3枚目となる1筒。早くも河に南が3枚捨てられたものの、松ヶ瀬は4巡目に北を引き寄せた。「うわっ!北が来た」。ここで松ヶ瀬は1筒を河へ。その直後、西家の鈴木優が7索を暗槓した。
表示牌は東、即ち新ドラは「南」だった。ここで解説の土田浩翔が「リーチをしちゃえば、ドラが増えたので、リーチする理由があるじゃないですか。そうすると、国士無双だと思わないですよね」「9筒を引いちゃえばいいんですよね」とすると、何と次巡のツモ牌は9筒。「え、うそっ!?こんなに早く?」と実況の小林未沙が驚愕すると、松ヶ瀬は迷わずリーチをかけた。
待ち牌は、南の地獄単騎だ。3枚切れの南。他者から見て、国士無双以外では当たらない牌だが、小林らは「国士無双がマークから外れそうな状況」「完全に外れてますね」と推察。わずか5巡目でのリーチということもあり、「ヤバい。これはヤバすぎる」「アガりやすすぎる国士無双」「俺の南(みなみ)はどこだ!?」などと大いに盛り上がった。
今度こそ、2シーズンぶりの役満が降臨するか。放送席やファンは固唾を呑んだが、数巡後、高宮がポンからのテンパイ。その当たり牌を松ヶ瀬が掴んでしまうのだから、天を仰ぐのも無理はない。その後も恵まれない展開が続き、4着で試合終了。「『僕は国士無双じゃありませんよ』っていうのと、長引かせるために(リーチを)やったんですけど、押し返されちゃいましたね」。試合後、松ヶ瀬は「しょうがないですね」と悔しさを滲ませた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)