2023年のチャンピオンのスープラが、コース制限解除と同時にロケットスタートを切ると、まさに電光石火の加速で前方車両をごぼう抜き。首位の車両をも抜き去る圧巻の走りを魅せた。
「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県)で開催されたスーパーGT第8戦。レース序盤から相次ぐクラッシュにより2度のフルコースイエロー(FCY)が発令される異様な幕開けとなった本戦では、GT500クラスのau TOM'S(#36 GR Supra)がFCY解除の瞬間に驚異的な勝負を仕掛けた。11月8日に放送された『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』では、この電光石火のアタックを大迫力のオンボード映像とともにピックアップ。
レースは9周目、GT300クラスのHOPPY Schatz(#25 GR Supra GT)の右リアホイールが突然脱輪し、単独スピンでコースアウト。レース序盤にして、この日2度目のFCYが発令された。全車両がリスタートのタイミングを窺いながら走行する緊張が漂う展開となった。
10周目、ついにその瞬間が訪れた。カウント0と同時にフルスロットルで仕掛けたのは、3位に位置していた36号車の坪井翔だ。前方車両をごぼう抜き。うまくリスタートに乗れなかった首位のARTA(#8 MUGEN CIVIC TYPE R-GT)を横目に順位を一つあげて2位に浮上した。さらに36号車は、前方を走るModulo(#64 CIVIC TYPE R-GT)にも挑む。周りにGT300車両がいる混戦状態のコーナーで、アウトに膨らむフェイントからインへと潜り込むと、見事オーバーテイクを成功させて首位に浮上した。
ウエイト制限を感じさせない堂々とした走りに、実況のサッシャ氏は「坪井が狙っている、坪井がインサイドに入って、これでランキングトップのauがレースリーダー!」と興奮を隠しきれない様子。解説の光貞秀俊氏も「すごいな、トップに出ましたよau」とうっとりしていた。
その後も36号車は、卓越した走りを見せ続けながら優勝。最終戦となる12月の第5戦「鈴鹿ラウンド(延期分)」を目前にチャンピオンシップ・タイトル連覇に大きく近づいた今季2勝目となった。
(ABEMA『ABEMA SUPER GT ダイジェスト』/(C)GTアソシエイション)