“主人公が自分の命を犠牲にして地球を守る”という重い展開もギャグにしてしまうのがドラゴンボールだ。人造人間18号を吐き出したセル(CV:若本規夫)は、突如体を大きく膨らませ、自爆を宣言した。残された1分の間に孫悟空(CV:野沢雅子)が選んだ行動は、セルを連れて共に瞬間移動することだった。しかし、その行き先がまさかの界王星で……。
【映像】界王様が自爆の巻き添えを食らう瞬間(6分6秒ごろ~)
覚醒した孫悟飯の圧倒的な力の前に、セルは成す術がなかった。過去にトランクスが見せたパワー特化の変身にセル自身が頼ってしまったこともあり、悟飯の強烈な蹴りを受けて18号を吐き出してしまう。
完全体でなくなったセルは激昂し、「許さなーい!」と叫びながら体を風船のように膨らませはじめる。そして「俺はもうじき自爆する!俺も死ぬが貴様らも全部死ぬ!地球丸ごと全部巻き添えだ!」と宣言した。
セルの自爆まで残り10秒を切り、誰もが絶望する中、悟空が「バイバイみんな!」と仲間に別れを告げ、セルのもとへ瞬間移動した。悟飯に労いの言葉をかけたあと、セルと共に地球から姿を消した。
悟空がセルを連れて向かった先はなんと界王星だった。突如現れた悟空とセルに、界王さまは「ば、ば、バカー!そんなヤツは連れてくるなー!」と大慌て! 目の前で自爆寸前のセルを目にした界王さまの反応は、地球での騒動以上に緊迫感に満ちたものだった。
地球のドラゴンボールで生き返れるのは一度きりのため、もう二度と生き返れない悟空の死は本来ならシリアスなシーンになるはずだ。しかし、「わりぃ界王さま!ここしかなかったんだ!」と神より偉い存在を道連れにするには軽すぎるノリ。それを聞いた界王さまも「そんなこと言ったって……」と唖然としていた。
死後、悟空はバブルスくんとグレゴリーに改めて謝罪し、バブルスくんはジェスチャーで“気にするな”と応じていた。しかし界王さまの怒りは収まらない。「まったく信じられんことをするヤツじゃ!」と憤る界王さまに対し、「だから何度も謝ってんじゃねえか!界王さまもしつけえな!」と反論する悟空に反省の色は見えなかった。
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送中。
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