<大相撲十一月場所>◇十二日目◇21日◇福岡・福岡国際センター
大関・豊昇龍(立浪)が小結・正代(時津風)を寄り切りで圧倒、1敗を死守して11勝目を挙げた。取組前に盛大な“正代コール”で沸く完全アウェイな状況を跳ね除けた大関の意地に、ファンも「すげー!」「圧倒的強さッ」と感嘆した。
福岡国際センターが異様な熱気に包まれた。初日から6連勝、七日目に1敗を喫するもその後は白星を積み重ね、大関らしく幕内優勝争いを引っ張っている豊昇龍。十二日目の取組では、元大関で熊本県宇土市出身の正代と対戦した。正代のご当地場所ということもあり、館内は取組前から大盛況。手拍子とともに「しょー!だい!しょー!だい!」と盛大な“正代コール”が沸き起こり、ABEMAで実況を務めた田中大貴アナウンサーも「拍手も自然発生的に沸き起こってきました」「“正代コール”が巻き起こるなかでの取組になります」と注目した。
だがそんな“アウェイ”な状況を豊昇龍は一蹴した。立ち合い胸で当たった正代が突き放していこうとしたが、豊昇龍の攻めは厳しかった。鋭く左を差した豊昇龍が一気に前に出ると、そのまま寄り切って圧倒。正代に何もさせず大関の意地で完勝した。拍手とコールで沸いていた客席は一転、ため息に変わった。勝った豊昇龍は1敗を死守して11勝目を挙げた。敗れた正代は8敗目を喫し、今場所負け越しが決まった。
取組を受け、ABEMAで解説を務めた元前頭の鏡桜は「やっぱり大関の上手さがある。余裕も感じる」と指摘。さらに「しっかり見て、下から入って。差してまわしを取っているんで、そのまま一気に出ていきますよね」と勝負の分かれ目を振り返ると、「体の柔らかさ、それが(豊昇龍の)持ち味なので、自分の体を活かした良い相撲だったと思います」と賛辞を送った。
盛大な“正代コール”が沸き起こると、ABEMAの視聴者も「手拍子きた」「声援すげーな」「盛り上がってきました」「大人気やな」と注目。だがその後、豊昇龍が完勝すると「すげー!」「見事!」「うん強い!」「圧勝だなさすが」「次元が違う」「圧倒的強さッ」といった声のほか、「相手の応援が大きいほど豊昇龍は燃えるよね」「気合がさらに入りそう」といったコメントも寄せられた。
なお豊昇龍と同じく1敗だった前頭六枚目・隆の勝(常盤山)は、関脇・霧島(音羽山)に押し出しで敗れて2敗に後退。大関・琴櫻(佐渡ヶ嶽)は関脇・大栄翔(追手風)を押し出しで退けて1敗を死守した。十二日目の全取組を終えて、幕内優勝争いは琴櫻と豊昇龍が1敗でトップに並び、2敗で隆の勝が追いかける展開となった。(ABEMA/大相撲チャンネル)