■妊娠で高校を自主退学したこはるさん(36)

こはるさん
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 こはるさんは、16歳(高1)のときに避妊具が破れ妊娠し、中絶した経験がある。「とても言葉にはできない気持ちになった。自分なりに『次は産んであげたい』と決めていた。次のパートナーができて、その人は社会人で、大丈夫だと思って踏み切った」と明かす。

 2度目の妊娠が発覚後、「学校に言うか一番悩んだ。言わない選択もあったと思う。だけど、体育の授業がどうしても気になった。持久走や体育祭もある。骨折していた友達はレポートで単位がもらえたので自分もいけると思って、先生に『妊娠しているので体育はレポートでお願いします』と伝えたが、職員会議で認めないという形になり、結果的に自主退学した」と振り返る。

 こはるさんの親に伝えるまでは「結構早い段階だった。妊娠が判明する前から、女性は整理で周期が分かるので、妊娠したかもと思っていた。最悪の事態は想定していたので、割とスムーズと言ったら変だが、親に伝えるのは早かったと思う」。

 周りの友だちは妊娠していることを知っていたのか。こはるさんは「知っている人もいたし、広まっていたと思う」といい、学校内での噂話は「賢い子たちが多かったので、分かりやすいものはなかったが、気づいていただろう」と答える。

 中卒で妊娠することについては、「当時は社会に出た経験がバイトぐらいしかなかった。中卒がどれだけ大変か分からなかった。ただ、高卒(の資格)がないのはヤバいことぐらいの自覚はあったので、せっかく3年もいたのに…という気持ちは大きかった」と述べた。

「詰んだ状態」妊娠による自主退学で生じる問題点
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