■仮想通貨のリスクは?

BTCと金
拡大する

 順風満帆に見えるビットコインだが、投資というよりも、よりリスクを伴う投機だと警戒心を強めたのがジャーナリストの佐々木俊尚氏だ。「なんで価格が上がっているのかという理由がない。金と同じで、別に背景に経済活動とか企業活動の裏付けが何もない。例えばマイクロソフトの株が上がるというのは、マイクロソフトが新しい製品を出すか、経営者が優秀だとかそういうのだ。ビットコインは何もない。そういう意味では金とまったく同じ」と、同じく高騰している金と似たものだと指摘した。

 また、その中でも金との違いは「金の場合には長い歴史を持っているので安定的に運用されていて、ずっと値上がりはしているが、基本的にはそんなに乱高下はしない。でもビットコインの場合には、乱高下しているのはいわゆる投機筋と言われる、デイトレードでバッとお金を儲けた人が大量に流入しているから。詐欺師まがいの山師の人たちが全員いなくなれば多分、金と同じように安定的に運用される時代が来る可能性はあるだろう」と述べた。

 これに設楽氏が「ドルコスト平均法という投資の方法だと、それをやっていた人は完全に勝っている。佐々木さんがおっしゃるように、システムが破綻した時にゼロになるリスクはなくはないが、現状10年前から買っていて、今売ればものすごく投資効率はいい状況」と語ったが、佐々木氏は「金はなぜ価値があるのか誰も分からず、何の裏付けもない。ただ金が貴重だからと全世界の50億人が思っているから価値がある。投機だと納得した上で買う人は構わないが、長期投資のために長期保有として買うような、新NISAと同じ扱いで買うのは、僕はすごく危険なのでやめた方がいい」と警戒心を強めた。

 これには千野氏が補足。「おっしゃる通りの面は非常にあると思うが、我々業界のやっぱり課題は価格変動だ。ボラティリティが高いところだと思うが、ボラティリティを小さくしていくには、いろいろな方に市場にお入りいただくのが一番の解決策。要は短期的な動向だけで売買する人たちだけではなくて、中長期的な視点で保有いただけるというような方を増やしていかないと、価格は安定していかない」。

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