ただ、その家までは危険極まりない道のりだった。集落を後にして、車1台分の幅の隧道(ずいどう・トンネル)を抜けると、景色が一変し、そこからは木々が生い茂る林道へ。しかも軽トラックがやっと通れるほどの狭さの山道は、やがて今にも崩れ落ちそうな崖道へと続く。
わずかタイヤ1つ分ほどしか余裕のない、ガードレールのない崖道に、捜索隊は「右側は崖ですね、怖い。ゆっくり行かないと…。落ちたらひとたまりもない」「これタイヤ落ちないですか!?」と恐怖。スタジオからも「うわーっ!」「雨だったらどうなるんだろう」と悲鳴があがるほどだ。
そんなギリギリの道の先、ついに一軒家へとたどり着くが、主人はこの日不在だった。それでも、案内してくれた男性が連絡を取ってくれたことで、翌日に会えることに。翌日、捜索隊が再訪すると、73歳の男性が「いよいよウチに来たんだ(笑)」とにこやかに出迎えてくれた。
男性は両親の死後、田んぼを20年間管理し、米を育てているという。娘一家と同居する隣町の自宅から、車で40分ほどかけて通っている。